- 2006/06/06 掲載
日本IBM、日本版SOX法対応のソフト開発ツールを発表
日本版SOX法の施行を見据えた新ソフトウェア開発ツール
日本アイ・ビー・エムは、本日、IT全般統制の中の重要な要素である企業のソフトウェア開発における統制(ガバナンス)を支援する新製品「IBM(R) Rational(R) Software Development Platform V7.0、以下Rational SDP V7.0」を発表した。
2009年3月期の施行が予想される日本版SOX法に向け、上場企業の多くは、既に同法への対応準備に着手している。日本版SOX法へのIT対応に関しては、主に(1)業務処理統制と(2)全般統制、の2点を確立する必要があると言われている。本日発表の「Rational SDP V7.0」は、(3)IT全般統制におけるソフトウェア開発の「プログラム変更」の領域を支援するものである。
IT全般統制で規定されている「プログラム変更」を実現するためには、以下の点に準拠する必要があると予想される。
・プログラム変更、システム変更および保守管理の要求は、標準化され、文書化された正式な変更管理手続きに従っている
・緊急の変更リクエストは文書化された正式な変更管理手続きに従っている
・プログラムの本番への移行は権限を与えられた者のみに制限する
上記を支援するのが、新しい「Rational SDP V7.0」製品群であり、その中核製品と特徴は下記のとおりである。
・IBM Rational ClearQuest V7.0
ソフトウェア開発における「変更プロセス」を管理するツールである。ソフトウェア開発では、上流工程から下流工程まで一貫して、要求仕様、テスト仕様、プログラムのバグや仕様変更などの変更を管理することが品質向上につながる。「IBM Rational ClearQuest V7.0」は業界で初めて、要求、テスト、変更に関する情報をリポジトリ(データベース)で一元管理することを可能とした。一元管理することにより、システムに対する要件がどのように開発され、どのようにテストされたかというトレーサビリティを確保するとともに、プログラム変更作業を監査することができるようになった。
・IBM Rational ClearCase V7.0
ソフトウェアの開発工程で作成されるプログラム・コードや仕様書、テストといったあらゆる成果物の構成を管理するツール。「IBM Rational ClearCase V7.0」では、オープンソースの構築ツールとして標準であるApache ANTとの連携により、ビルド(構築成果物)の監査を可能にした。また、IBM Tivoli(R) Provisioning Managerとの連携により、完成したプログラムを自動的に実稼動環境に配置することが可能となった。プログラム開発、構築、配布の流れを自動化することにより、作業ミスの頻度を軽減させるとともに、不正な作業の監査を実施できるようになった。
・IBM Rational Build Forge V7.0
本年5月2日に買収したBuildForgeの製品で、ソフトウェアの配布プロセスを自動化するビルド(構築成果物)管理とリリース管理のためのツール。開発チームはBuild Forgeを使用することによって、繰り返し行わなければならないビルド作業を標準化することが可能となる。
なお、上記の新製品で構成される「Rational SDP V7.0」の特徴は以下のとおりである。
・監査性をもったプログラム開発と変更
プログラム変更に必須となる承認手順、ID管理(権限のある担当者が変更を行うこと)、テストの実施と結果の文書化といった、IT全般統制の確立に必要となる作業を確実に実施できるようになる。また、Rational ClearQuestのもつ、ワークフロー機能によって、開発者、テスト担当者、運用管理者の職務分離を強化することが可能となる。
・開発、構築、配布の自動化
プログラムの開発が完了した後の構築作業および実行可能なソフトウェアを実稼働環境に配布する作業が自動化された。これにより、構築作業や配布作業におけるミスの効果的な削減が期待できるとともに、権限をもたない担当者による不正なアクセスを防止することにより、ソフトウェア配布作業の安全性を高めることが可能となった。
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