- 2006/06/06 掲載
Debianが、HPの支援により、OSDLのCGL機能使用を採用
オレゴン州ビーバートン発 2006年6月5日
エンタープライズ・コンピューティングにおいてLinuxの採用加速に取り組むグローバルコンソーシアムである米オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OpenSource Development Labs、以下 OSDL)は、Debian GNU/Linuxディストリビューションが、HPの支援により、OSDLのCGL(キャリアグレードLinux) 2.0.2の機能仕様に準拠し、登録を完了したと発表した。
Debianは、主要なLinuxディストリビューションの1つ。DebianがCGL準拠のLinuxディストリビューションとして登録されたことにより、1,000名以上の開発者と、何万人というエンドユーザがCGLコミュニティに新しく参加することになる。さらに、このDebianの登録は通信プロバイダに、最強のLinuxコミュニティの1つが支援する完全にオープンなプラットフォームが提供されることになる。
OSDLのSenior Technology AnalystであるBill Weinberg氏は次のようにコメントしている。
「DebianベースのCGLプラットフォームは、自前でうまく作るCGLソリューションと、商用で利用可能なオプションとの理想的なバランスを実現します。OSDLは、DebianがCGL準拠ディストリビューションとして登録されたことを歓迎し、CGLの採用に強力かつポジティブなインパクトを与えるものと期待しています。Debian開発者の熱心な取り組みとHP社の多大な貢献のおかげで、通信機器ベンダは、非常に完成されたコミュニティベースのCGLディストリビューションを利用することができます」
DebianのCGLへの登録は、最新リリースであるDebian GNU/Linux 3.1(コードネームsarge)を補完するものである。このsargeリリースは、いくつかのセキュリティアップデートを含み、Linuxカーネル2.6.8を採用している。今回のDebianのCGL実装は、あらゆる主要な要求やロードマップ主要要件などを満たしCGL完全準拠を謳う通信業界向けにカスタム化したtelco-Debianディストリビューションへの最初のステップである。
DebianプロジェクトリーダであるAnthony Towns氏は次のようにコメントしている。
「CGLへの登録は、通信基盤におけるLinuxをDebianがサポートする重要なマイルストーンとなります。OSDLのCGL仕様定義の会議における私たちの業界パートナの協力により、通信業界において、ますます増大するLinuxシステムに対する市場ニーズをさらに実現していくことを楽しみにしています」
HPのOpen Source and Linux Organization, Research and Development担当DirectorであるSteve Geary氏は次のようにコメントしている。
「この数年間の間、通信基盤の提供において必要不可欠な要素であるということで、完全にサポートされたLinuxソリューションを提供するDebianをHPは使用してきました。自社のユーザシステムの導入にDebianを使うことはHPの戦略的な決定でしたが、これからは、これらの主要なソリューションは、OSDLのCGLの提供で、より多くのユーザが利用可能になり、今日のグローバルな通信ネットワークにおいて自信を持って提供できるものとしてなるでしょう」
HPは、現行のDebian sargeを登録したり、debian-CGLサブプロジェクトを創設するなどして、Debian開発コミュニティにおいてCGLの取り組みを主導している。HPは、CGLおよび関連の活動を重視しており、非常に多くのDebian開発者を雇用している。
Venture Development Corporation (VDC)によれば、通信基盤におけるLinuxの採用は増加しつつある。以前より多くの通信プロバイダが、コスト削減や、スケーラビリティと信頼性向上のために、Linuxや他のオープンソースソリューションを利用する利点を求めるようになってきている。VDCによれば、2010年までに世界の音声・データ通信機器アプリケーションの30%でLinuxが稼働するようになるだろうと予想されている。
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