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  • 2022/08/17 掲載
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「宅急便」で日本の物流に革命をもたらしたヤマト運輸。ヤマトホールディングス(以下、ヤマトHD)は2021年、次の100年に向けた中長期の経営のグランドデザイン「YAMATO NEXT100」を発表し、基本戦略の1つに「データドリブン経営」を掲げた。その実現に向け、ヤマト運輸は抜本的な改革を進めている最中だ。同社はどのような変革と価値提供を実現しつつあるのか。同社執行役員DX推進担当の中林紀彦氏に語ってもらった。

圧倒的な強みを持つ業界リーダーが抱いていた危機感

 2022年11月に創業103年を迎えるヤマトグループ。1976年に始めた「宅急便」の取り扱い個数は右肩上がりに増え続け、年間に運ぶ荷物は現在23億個に迫る勢いだ。これほどの荷物を受け取り、届けることを可能にしている膨大な顧客接点と物理的なリソースこそが、物流業界における同社の優位性を作り出している。

 ヤマトHDが次の100年に向けた中長期の経営のグランドデザイン「YAMATO NEXT100」を策定した背景には、業界リーダーならではの大きな危機感があったという。

 「宅急便のビジネスモデルは45年以上前につくり、そのフィジカルなネットワークが、急速に変化する社会に適応しきれなくなってきていました。また、IT・デジタル化の進展に迅速な対応ができていないことや、荷物の増加に対して運び手が今後不足するという課題もありました」と振り返るのは、ヤマト運輸 執行役員DX推進担当の中林紀彦氏だ。

 「YAMATO NEXT100」では、今後も重要な社会インフラを担う一員として顧客や社会の課題に向き合い、ニーズに応え続けることを目指している。そのために、「CX(コーポレートトランスフォーメーション)」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「イノベーション」という3つの基本戦略を掲げた。

 以降では、こうしたチャレンジを目下進めているヤマト運輸が、新たな価値を提供する顧客体験を生み出すため、テクノロジーとデータをいかに駆使してきたかを紹介する。

この記事の続き >>
・リアルタイムで荷物情報が分かる超便利な“あのサービス”はなぜ実現できた? ヤマトが取り組む3つの事業構造改革
・300人規模のデジタル組織で取り組む「5つのデータ戦略」
・改革を成功させるカギとは?「YAMATO NEXT100」で重視している3つの観点

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