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  • 2019/08/09 掲載

加速する「メディカルAI」、AIによる医用画像解析はここまで進化した

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いまや人工知能(AI)の活用は、あらゆる業種・業界で進んでいる。特に医療業界では、医療におけるAIを「メディカルAI」と呼び、積極的に研究・開発や応用が行われている。その取り組みと課題、さらに医用画像解析の現状などはどうなっているのか。理化学研究所 種石 慶氏の京都大学医学研究科との共同研究に関する講演内容からその最新動向をお届けする。

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理化学研究所 種石 慶氏

期待される「メディカルAI」の開発とその背景

 人工知能(AI)の開発・活用は、さまざまな領域で進んでいる。特に医療分野は、AIへの期待が大きい領域だ。2018年には、日本メディカルAI学会も設立されている。本学会は、医療や人工知能に関する技術、およびその応用の研究を目的とする学会であり、全国の大学や医療機関、Preferred NetworksなどのAI関連企業も参加している。

 メディカルAIの開発は、複数のテーマに分かれて研究が進められている。たとえば、健康診断データをAIで分析して発症予測を行う「予防・先制医療」、AIで新しい薬のターゲット(標的分子)の候補を見つけ出す「創薬テーマ創出」、がんの診断アシストや病理画像処理にAIを利用する「臨床・診断」など、AIの活躍が期待されている領域は多い。

 その背景について、理化学研究所 種石 慶氏は次のように説明する。

「毎年、ほぼ1兆円近く上昇している国民医療費の問題が背景にあります。その負担がそろそろ限界を迎えつつあるため、何とか解決策を見つけなければなりません。もちろん、患者さんの身体的・経済的負担を減らすことも重要な目的ですし、創薬を加速するAIを開発して新薬開発のコストを抑制したり、先制医療によって病気の発症や悪化を防いだりすることも重要な取り組みです」(種石氏)

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メディカルAIの開発に向けて(京都大学・理研等の参画するコンソーシアムの例)
この記事の続き >>
・メディカルAIを支える計算基盤に求められる3つの能力
・医療データの電子化の現状
・AIによる医用画像診断の現状と課題
・ツールの充実で、現場の医師が手軽にAIを活用できる環境整備も進展

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