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自動車関連の全事業者必見、ITとデータで示す「安全運転と教育」の秘密

日本の交通事故発生件数は、2004年(平成16年)でピークに達するものの、その後は減少の一途をたどってきた。しかし、ここ数年は横ばい状態が続いており、令和5年では増加に転じてしまっている。交通心理学や交通科学、人間科学などを専門領域とする九州大学大学院 システム情報科学研究院 教授の志堂寺 和則氏に、日本における交通事故の発生状況と、テクノロジーを活用した削減方法を聞いた。

交通心理学の第一人者が指摘する、交通事故発生件数の「山」

 志堂寺 和則氏は九州大学大学院 システム情報科学研究院の教授と、同大学院 統合新領域学府 オートモーティブサイエンス専攻の専任教員、日本交通心理学会副会長を兼務している。研究領域は交通心理学や交通科学、交通工学、人間工学に加え、ヒューマンインタフェース、バーチャルリアリティ、認知科学、感性科学など幅広い。交通安全関連コンテンツの監修に携わるなど積極的な活動をおこなっている。

「交通心理学は、交通行動の心理学的解明と事故削減を目的として作られました。ドライバーから歩行者、子供、高齢者まで、さまざまな交通参加者を研究対象としています。現在、交通事故のほとんどは人的要因に起因すると考えられており、事故の原因解明はもちろん交通安全教育の効果的な方法を論じています」(志堂寺氏)

 志堂寺氏は、警察が発表した、昭和23年から令和5年までの交通事故の推移を提示する。

画像
事故件数、負傷者数、死者数の推移

 これを見ると、戦後復興期と高度経済成長期、そしてバブル経済期を中心に2つの大きな山を形成していることがわかる。最初の「山」は、国を挙げての取り組みによって事故の発生件数を減少させることに成功したが、その後再び増加に転じたことを示している。

 ここ20、30年では交通事故をうまく減らすことができている。しかし、近年は横ばい状態が続いており、令和5年にはわずかに増加する結果となってしまった。志堂寺氏は、ほかにもいくつかの統計を示して、交通事故の傾向を解説するとともに、対処法について言及する。

この記事の続き >>

  • ・要チェック、統計が語る「日本の交通事故の傾向」とは?
    ・外的要因と内的要因がドライバーの運転行動を変えるワケ
    ・交通安全教育の課題を解決、「ITによる実地指導」が必要な理由

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