- 2021/11/06 掲載
ECB当局者、来年のインフレ低下強調 利上げ観測をけん制
インフレ率は4.1%と13年ぶりの高水準で、ECB目標の2倍以上となっており、ECBは政策引き締めを迫られている。市場は来年に政策金利が0.10%ポイント引き上げられることを織り込んでいる。
ECBのラガルド総裁やシュナーベル専務理事の発言に並び、この日はデギンドス副総裁やホルツマン・オーストリア中銀総裁、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁なども来年のインフレ率が低下するとの見通しを示した。
ECB理事会で最も保守的なメンバーの一人であるホルツマン氏は、2022年の利上げは逆効果になる可能性さえあり、ECBの現在のガイダンスに基づけば利上げの可能性は低いと述べた。
ただデギンドス副総裁は、ユーロ圏のインフレ押し上げ要因は一時的で来年には鈍化するとの予想を維持しているが、これまで考えていたほど鈍化しないとの見方を示した。
マドリードでのイベントで、「本質的には主に一過性だが、供給面での混乱が想定以上に長引けば、価格下落のスピードや度合いに影響を与える可能性がある」と指摘。「そのため二次的な影響を監視することが不可欠だ。労働市場ではまだ発生していないものの、これから発生する可能性がある」とした。
一方、ホルツマン氏は、住宅コストをインフレデータに含めれば、物価上昇率は現在よりも0.5%ポイント高くなる可能性があり、これは潜在的に大きな違いであると主張した。
住宅コストはインフレ率には含まれておらず、これまではインフレ率に含めれば0.2─0.3%ポイント押し上げると想定されていたが、ホルツマン氏の発言は住宅価格の上昇が思った以上に加速していることを示唆している。このような影響はECBによる刺激策の必要性を低下させる可能性がある。
このほか、ストゥルナラス氏は、インフレは一時的でECBの緩和政策は依然として適切との認識を示した。現地紙ナフテンポリキが5日報じた。
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