- 2021/10/26 掲載
凸版印刷、工場に環境データ自動収集システムを構築
本システムは、工場内をくまなくカバーするZETAネットワークと、それに接続する各種センサー機器、測定したデータを格納するクラウド型システムプラットフォーム「ZETADRIVE(R)」と、データ監視システムから構成されます。
また、既に工場内で稼働している多数の測定器からの出力情報を、デジタルデータ化しZETA通信のフォーマットで送信するために、データ転送機器「ZETABOX(TM)」を新開発しました。
本システムの導入で、凸版印刷の工場では環境保全業務の負荷を、約20%程度軽減できると見込んでいます。これにより、能動的な環境保全活動への人的リソースの割り当てが可能となり、工場全体のリスクマネジメント強化を図ります。
本システムは、2021年10月27日(水)から29日(金)に開催される「5G/IoT通信展」(会場:幕張メッセ)のZETAアライアンスブース内 凸版印刷コーナー(7・8ホール、小間番号 45-2)に展示されます。
■開発の背景
世界的な気候変動や環境問題への対応は、近年ではSDGsの観点からも企業の存続に不可欠なものとなっています。製造現場における環境保全業務は企業が果たすべき社会的責任である一方で、環境データの収集作業は人手に依存する部分が多く、人的リソースの確保も困難になっている中、工場のIoT化は喫緊の課題となっています。
凸版印刷の工場においても、環境データを測定するセンサーが電波の届きにくい屋内や地下、電源が確保できない屋外などに設置されているケースが多く、従来のネットワーク技術ではIoT化が困難でした。しかし、つながりやすさに特長を持つZETAのネットワークを活用し、工場内に「死角のない無線通信ネットワーク」を構築することで、様々な場所に設置されているセンサーをつなぎ、自動的にデータを収集するシステムを構築しました。
第一弾として導入を開始した自社工場においては、1,000以上の点検項目の内、約10%についてセンサーをZETAネットワークに接続。工場排水の水位やpH値(水素イオン濃度)、ORP(酸化還元電位)などの情報の自動収集を開始しており、2022年度中に同工場の全ての環境データの収集を自動化します。
※1 ZETA:英国ZiFiSense社が開発した、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。LPWAの規格のひとつであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、ほかのLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。
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