• 2025/04/17 掲載

米関税政策は経済下押し、物価には上下両方向への影響 動向注視=植田日銀総裁

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Kentaro Sugiyama

[東京 17日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は17日の参院財政金融委員会で、トランプ米政権の関税政策が日本経済の下押し要因になるとの見解を示した一方、物価については上下両方向への影響があり、現時点でどちらにいくのか決め打ちするのは「まだリスクが高い」と語った。今後の動向を注視していくとした。

植田総裁は、トランプ関税は様々な経路を通じて日本経済に影響を与えると指摘。直接的な貿易活動への影響に加え、不確実性の高まりによる企業や家計心理の下押しや、国際金融資本市場への影響なども考えられるとした。

このところ金融市場が揺れている背景には、米関税政策や想定より高い税率などで内外経済を巡る不確実性が高まったことがあるとし、「市場動向や内外の経済物価情勢を注視していきたい」と語った。

今後の金融政策決定会合では、米国の政策動向と国内の賃金・物価の動向の2つを点検しながら政策判断していくと述べた。植田総裁は「コメの価格上昇は長引いている」と指摘。基調的物価上昇率に影響を与える可能性にも注意が必要だとした。

日米の関税交渉における為替の扱いについて問われた総裁は「為替相場は経済金融のファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要」とし、具体的なコメントは控えた。

日銀が保有しているETF(上場投資信託)の処分については「時間をかけて検討している途中だ」と改めて説明。処分の際には、適正な対価によるものとすることが大方針であり、その場合、日銀への損失や市場にかく乱的な影響を与えることを極力回避する必要もあると語った。

西田昌司委員(自民)、熊谷裕人委員(立憲)、杉久武委員(公明)、上田清司委員(民主)、神谷宗幣委員(無)などへの答弁。

冒頭、植田総裁から「通貨および金融の調節に関する報告書」(半期報告)の概要を説明。先行きの金融政策運営について「展望リポートで示した経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と述べた。

植田総裁は、コストプッシュの直接的な影響を除いた基調的な物価上昇率は、現時点で2%を下回っているものの、賃金上昇が続く中で徐々に高まってきていると指摘。「これまでのところ、経済・物価は展望リポートで示してきた見通しにおおむね沿って推移している」との認識を示した。その上で、先行きは各国の通商政策などの展開を巡る不確実性に十分に注意していく必要があると語った。

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