- 2025/04/10 掲載
日経平均が3万4000円を回復、米相互関税停止を好感 米中リスクはくすぶる
[東京 10日 ロイター] - 10日の東京市場で日経平均は3万4000円の大台を回復した。トランプ米大統領が9日、貿易相手国に対する相互関税の上乗せ部分を90日間停止すると発表したことを好感する買いが先行した。一方、米国と中国の貿易摩擦への警戒感はくすぶり続けており、買い一巡後は3万4000円台での足踏みとなっている。
市場で懸念されてきた相互関税が一時停止することとなり、いったん安心感が広がっている。「これまでの過度な警戒感が後退し、ショートカバーが優勢となっている」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)とみられている。
日経平均の上げ幅は一時2800円を超え、取引時間中の値幅ではあるものの、終値ベースでの歴代記録との比較では、昨年8月急落後に急騰した際の3200円高に次いで2位の上げ幅となった。
日経平均への寄与度の高い銘柄群が軒並み大幅上昇。ファーストリテイリングや東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループの4銘柄で指数を800円超押し上げている。
取引開始直後は多くの銘柄が寄り付かなかったが、寄与度の高い銘柄群が寄り付き始めると指数は急速に上げ幅を拡大。前日まで弱さが目立っていた銘柄群に買い戻しが向かっている。トヨタ自動車やソニーグループといった主力株の大幅高が目立つ。
もっとも、買い一巡後は伸び悩みもみられる。トランプ氏は中国に対する追加関税を125%に引き上げ即時発効するとも発表した。これまでも中国は対抗姿勢を示しており、摩擦が激化することへの警戒感はくすぶり続けている。
関税停止が明ける90日後にどうなるかはわからないとの懸念も続く。米国が日本側の提案を受け入れるかが不透明なうえ、米国側の揺さぶりも見込まれる。ステート・ストリート銀行の若林徳広東京支店長は「交渉の中で通貨問題が取り上げられ、為替で政治的な圧力がかかるようなら、ドル/円は上値がかなり重くなる」と話している。
日経平均は直近高値から週初の急落時の安値までの半値戻しが3万4500円付近にあり、足元では「上値として意識されているようだ」(野村証券の沢田麻希ストラテジスト)との見方が聞かれる。
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