- 2025/04/10 掲載
国内企業物価3月は前年比4.2%上昇、コメなど農林水産物の価格高で
Tetsushi Kajimoto
[東京 10日 ロイター] - 日銀が10日に発表した3月の企業物価指数(CGPI)は前年比4.2%上昇と、2月の4.1%から伸び率が拡大し、1年7カ月ぶりの大きさとなった今年1月に並ぶ上昇幅となった。コメ価格の上昇が続く農林水産物が指数を押し上げた。
指数は126.0となり7カ月連続で過去最高を更新した。伸び率はロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値(3.9%)を上回った。前月比では0.4%上昇した。
輸入物価は円ベースで前年比2.2%下落、2カ月連続のマイナスとなった。下落幅は2月(0.9%下落)から拡大した。
3月は農林水産物が40.1%上昇。飼料価格や輸送費、人件費などのコスト増を転嫁する動きや、鳥インフルエンザ拡大の影響がみられた。石油・石炭製品は8.6%上昇と、前月の5.9%から伸びが加速。燃料油価格激変緩和措置の補助率見直しが影響した。非鉄金属もアルミニウム・銅市況上昇により12.3%と大幅に上昇し、プラス寄与した。
対前月比では、追加関税発動を前にした米国の駆け込み需要発生に伴う市況高を受けて銅・プラスチック被覆銅線・電力・通信用メタルケーブルがいずれも値上がりした。
国内企業物価を構成する515品目中、上昇は387品目、下落は106品目の差し引き281品目になり、2月の差し引き278品目から増加した。
2024年度の企業物価指数は前年比プラス3.3%と23年度の2.4%から伸びが加速した。類別にみると、農林水産物がコメの価格高騰などを反映し、19.7%上昇と、前年度の5.0%から大幅に加速した。
「コメを中心に農林水産物が国内要因で価格上昇しており、夏に向けて食品価格の高騰が加速し、消費者物価に上昇圧力がかかりやすいことが確認できた」とS?BC日興証券シニアエコノミストの宮前耕也氏は指摘する。「米国関税政策の影響で対米・中共に輸出環境は厳しくなり、日銀の利上げはしばらく様子見になるだろう。急ぐ環境にはない」という。
*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
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