• 2025/04/08 掲載

NY市場サマリー(7日)ダウ・S&P続落、ドルが対スイスフランで下落、10年債利回り1年ぶりの大幅上昇の勢い

ロイター

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<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルは安全資産のスイスフランに対して下落した。トランプ米大統領の貿易相手国に対する広範囲な関税措置を受け、世界的な景気後退(リセッション)懸念は依然高まっている。

ドルは対スイスフランで0.44%安の0.85720フラン。一時、6カ月ぶりの安値を記録した。

ドルは他の安全通貨に対しては序盤の下落から反転し、午後の取引では、対円で0.53%高の147.660円となった。

欧州連合(EU)は7日、一部の米国輸入品に対する報復関税の徴収を来週から開始すると発表した。

ユーロは0.35%安の1.092800ドル。取引序盤に、0.7%高の1.1050ドルを付ける場面もあった。

<債券> 米金融・債券市場は不安定な展開となる中、10年債利回りは1日としては1年ぶりの大幅な伸びとなる見通し。一部の国が関税回避に向けてトランプ大統領と交渉する可能性があるという楽観的な見方が台頭した。

ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は、貿易相手国がすばらしい提案をするなら、トランプ大統領は耳を傾けるだろうと発言した。

ウェルズ・ファーゴのマクロストラテジスト、アンジェロ・マノラトス氏は「関税措置が幾分軽減される可能性があるとの見方から、利回りは上昇した」と指摘。一方、「より広い視点で考えた場合、今年の経済成長は大きな打撃を受け、国債利回りは大幅に低下すると予想している」と述べた。

トランプ大統領が中国を除く全ての国に対する関税を90日間停止することを検討しているという報道を受け、利回りは一時大幅に上昇。その後、ホワイトハウスはこの情報を「フェイク(偽)ニュース」として退けた。

終盤の取引で、指標となる10年国債利回りは15.8ベーシスポイント(bp)上昇の4.149%と、1日としては昨年4月10日以来の上昇幅となる見込みとなった。先週4日には3.86%と昨年10月4日以来の低水準を付けていた

<株式> 米国株式市場は値動きの荒い展開となる中、ダウ工業株30種<.DJI>とS&P総合500種<.SPX>が続落して取引を終えた。トランプ米大統領が関税政策を巡り強気の姿勢を維持したことから、景気減速とインフレ加速に対する懸念が引き続き重しとなった。

トランプ氏は7日、中国が対米報復関税を撤回しなければ、9日から中国に対し50%の追加関税を課すと表明した。

主要株価3指数は取引序盤に1年超ぶりの安値を付けた。S&P500は午前の取引で一時、過去最高値から20%下落。トランプ氏が中国を除く全ての国に対する関税を90日間停止することを検討していると伝わると、3%超上昇する場面もあったが、ホワイトハウスが報道を否定したことを受けて再び下げに転じた。

投資家の不安心理を示す「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数(ボラティリティー・インデックス)<.VIX>は一時60を上回り、昨年8月以来の高水準を付けた。その後上げ幅を縮小したが、それでも終値として5年ぶりの高水準となる46.98で終了した。

チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メックラー氏は「市場にとって根本的な問題は、貿易不均衡に対する政権のアプローチが、病気よりも悪い治療法を試すものだということだ」と指摘。「投資家が関税の一時停止か、別の方法を検討することを望んでいるのは明らかだ。投資業界や経済界に多数いるトランプ氏支持者の中で、政権の関税政策に支持を表明する人が誰もいないのは非常に示唆的だ」と語った。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対主要通貨でのドル高を受け、3営業日続落した。

トランプ米大統領が前週発表した相互関税を背景に金融市場の混乱が週明けも続く中、同氏は7日、SNSへの投稿で、中国が米国産品に対する報復措置を撤回しない場合、中国からの輸入品に50%の追加関税を9日から課すと警告した。外国為替市場では、資金の逃避先としてのドル買いが先行。ドル建てで取引される商品の割高感から相場は売りが優勢となり、3000ドルを割り込んだ。安全資産としての金需要に一服感が広がったことも、利益確定の売りやポジション調整の売りを促した。

米ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長は6日、米テレビのインタビューで、トランプ政権が打ち出した一連の関税政策を巡り、50カ国以上が減免措置などの交渉を求めて、米国に接触してきていると述べた。各国の対応に注目が集まる中、石破茂首相は7日、トランプ氏と電話で会談。相互関税など米政権による一連の関税措置に関し、担当閣僚を指名して協議することで一致した。一方、台湾の頼清徳総統はSNSへの投稿で、台湾は米国に対し報復関税を課す計画はないと改めて表明。両国間の関税をゼロにする提案から対話を進める意向を示した。そのほか、イスラエルのネタニヤフ首相が7日ワシントンを訪問し、トランプ氏と会談した。関税問題を協議したものとみられている。関税交渉への楽観的な見方を背景とした米長期金利の上昇も、金利を生まない資産である金の相場を圧迫した。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米高関税政策を巡る貿易戦争激化の兆しを受け、世界的なリセッション(景気減速)を招くとの懸念が広がる中、3営業日続落した。

米相互関税を巡っては、米中間での報復措置の応酬が続けば、貿易戦争が本格化するとの警戒感が高まっている。トランプ米大統領は7日、SNSへの投稿で、中国からの輸入品に対する相互関税について、中国が米国産品について報復措置を8日までに撤回しない場合、9日に関税率を50%に引き上げると表明した。貿易戦争激化で世界景気が減速し、エネルギー需要の鈍化に陥るとの懸念が根強く、原油売りの流れが継続した。

ただ、投資家の不安心理を反映して、値動きは不安定だった。「米ホワイトハウスが、中国以外の国・地域について、90日間の関税賦課の停止を検討する」との誤報に反応し、米株価がプラス圏に急反発すると、原油も一時63ドル台に跳ね上がった。

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