• 2025/03/20 掲載

FRB、バランスシート縮小を減速 4月から国債上限50億ドルに

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Michael S. Derby

[ワシントン 19日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は19日、バランスシート縮小(量的引き締め、QT)の減速を発表した。政府の借り入れ上限引き上げを巡る行き詰まりが続く中、市場流動性の評価が課題となっているためとみられる。

この方針は、FRBが2月19日に公表した1月28─29日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でも示唆されていた。

4月1日より、米国債の縮小ペースを月間250億ドルから50億ドルに引き下げる。住宅ローン担保証券(MBS)の縮小ペースは月間350億ドルで維持する。

18─19日に開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決定した。ウォラー理事がバランスシート縮小の方向転換に反対した。

FRBのQTプロセスは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)時期に追加された流動性を金融システムから取り除くことを目的に、2022年から実行されている。QTによりFRBの保有資産は、22年のピーク時の9兆ドルから2兆ドル以上減少した。

FRB当局者は、他の条件が同じであれば、金融システムには依然として十分な余剰流動性があり、QTにはまだまだ時間がかかることを示唆している。

QTを進める上で最大の難点は、政府の借り入れ額を制限する債務上限となる。財務省はFRBの口座にある資金を支払いに充てており、これによりシステムに流動性が追加されている。しかし債務上限が引き上げられた場合、財務省はおそらくこの動きを反転するため、システムから流動性が再び引き出されることになる。こうした状況が続くと、FRB当局は市場の流動性を正確に把握するのが非常に難しくなる。

QTを減速または一時停止することで、FRBにはプロセスをスムーズに最終段階に移行するために必要な余裕が生まれる。

アナリストの見解では、今一時停止すれば、FRBは金利引き下げをさらに進めることができる可能性もある。ただし、プロセスの再開は複雑になり、市場参加者とのコミュニケーションに課題が生じるとみられる。

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