- 2025/02/03 掲載
トランプ関税で市場に新たな衝撃見通し、貿易戦争を懸念
[ニューヨーク/ロンドン 2日 ロイター] - トランプ米大統領がカナダ、メキシコ、中国への新たな関税で貿易戦争を仕掛けたことで、経済成長やインフレ再燃を巡る懸念から週明け3日の世界市場は新たな衝撃を受けることになりそうだ。
トランプ氏は1日、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税、中国からの輸入品に10%の追加関税を4日から課す大統領令に署名。メキシコとカナダは報復関税を課すと表明し、中国は世界貿易機関(WTO)を通じて異議を申し立てるとともに、他の「対抗措置」を取る方針を示した。
ホワイトハウスは関税計画の詳細をまだ公表しておらず、その影響や期間については疑問が残る。
世界的な貿易戦争のリスクは、米企業の収益に打撃を与え、インフレ圧力を生じさせ、米国の利下げへの期待を打ち消し、カナダドルや中国人民元などの通貨のさらなる下落につながる可能性がある。
シーバート・フィナンシャルのマーク・マレック最高投資責任者(CIO)は「市場はこれに反応するだろう。これまで市場はトランプ大統領の味方だったが、それが変わり、市場が初めてトランプ氏に挑戦する可能性がある」と語った。
ATFXグローバルのチーフ市場アナリスト、ニック・トワイデール氏は「カナダドル、メキシコペソ、人民元に加え、リスク資産全般にとってネガティブだ」と指摘。救済措置への期待が打ち砕かれたことを受け、週明けのアジア市場で通貨が大きく動くと予想した。
アナリストはまた、株式などの高リスク資産が売りに見舞われると予想している。
セテラ・ファイナンシャル・グループのジーン・ゴールドマンCIOは、高バリュエーション、関税がインフレに与える影響、米連邦準備理事会(FRB)の政策への影響などが重なり、市場の下落につながるだろうと述べた。
エバーコアISIのストラテジストは、S&P総合500種が史上最高値に近いため、短期的に3─5%程度上下する可能性があるとの見方を示した。
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