- 2024/12/03 掲載
米サイバーマンデー、各社が割引強化 ブラックフライデー不振で
Aishwarya Venugopal
[2日 ロイター] - 米国の感謝祭翌日のセール「ブラックフライデー」の販売が振るわなかったのを受け、米小売業者はオンライン通販やモバイルアプリで年末商戦のキャンペーンや商品割引を強化した。感謝祭を含めた祝日が長いことを利用し、消費者の購入を促したい考えだ。
米国のインターネット通販が最も盛り上がる「サイバーマンデー」の2日には、化粧品や電化製品、玩具、衣料品などの大幅割引をプッシュ通知や電子メールなどを通じて宣伝し、財布の紐が堅い消費者を勧誘した。
クリスマスが迫る中で専門家は、今年の小売業者の値引きが大きく、消費者はセール品が多い日を待ち構えていると指摘する。一例として米小売業大手のターゲットは1日に始まった「2日間のサイバーマンデー」と銘打ったセールでビデオゲームや家庭装飾品、ハイテク商品など計数千の商品を50%引きで販売すると発表した。
米クレジットカード大手のマスターカードは、11月29日のブラックフライデーの実店舗売上高は前年より0.7%増と推計。一方、データ提供企業のファクテウスは実際の売り上げがもっと低かったと指摘している。
米小売業大手のウォルマートや米インターネット通販大手のアマゾン・ドット・コムなどは、買い物客がオンライン通販やモバイルアプリで商品を見つけやすくする生成人工知能(AI)の顧客サービスや検索機能に力を入れている。
東部ペンシルベニア州ピッツバーグに住むシャイアン・ベレンスさん(29)はアマゾンの対話型生成AI「ルーファス」を使い、この年末商戦でベビー用品や電化製品の価格を追跡している。アマゾンは今年2月にルーファスを立ち上げ、全ての商品のカタログに基づいて顧客に推奨する商品と詳細に関する情報を提供している。
ベレンスさんは「ルーファスを使うことで、『お買い得』と打ち出しているのが本当にお買い得なのかどうかを判断するのに非常に役立っています」と話す。
15億人を超える世界の消費者の買い物データを追跡する米クラウドコンピューティング企業、セールスフォースの消費者インサイト担当ディレクター、カイラ・シュワルツさんは、商品に関する問い合わせといったオンライン通販の顧客の基本的な質問に答えるチャットボットなどの生成AIツールが、コスト上昇にもかかわらず小売業者の利益率を維持するのに役立っていると指摘。同社の試算では、顧客サービスに生成AIツールを使用している小売業者はユーザーの購入率が15%高かった。
米アドビは、2日のサイバーマンデーのオンライン通販購入額が132億─135億ドルと推計。ブラックフライデーのオンライン通販購入額は108億ドル程度だったとしている。
チャットボットなどから小売業者のサイトに移動するユーザートラフィックはブラックフライデーから週末にかけて1800%増加したとアドビは指摘する。
多くの消費者が後払いサービスを利用しており、アドビの予測によるとこのサービスを利用した支出は10億ドル近くに達する。
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