- 2024/11/14 掲載
午前のドルは4カ月ぶり156円台、米共和党完勝見込みで全面高
東京市場は序盤からドル買いが先行した。エジソンリサーチの予測でも、下院で共和党が過半数の218議席に達する見通しとなり、ドルは朝方の155円前半からじり高で、正午前に一時156.06円と7月23日以来、約4カ月ぶり高値を更新した。
大統領職と上下両院を共和党がすべて支配する「トリプルレッド」が実現する見通しとなったことで、ドル高は広範に進行した。対ユーロで一時1.0547ドルと1年ぶり高値を付けたほか、対スイスフランで3カ月半ぶり、対英ポンドや豪ドルでも3カ月ぶり高値を更新した。
きょうアジア時間の取引で、米10年債利回りは4.48%付近と3カ月半ぶり高水準まで上昇した。主要6通貨に対する総合的な値動きを示すドル指数も年初来高値を更新するなど、米金利高とドル高が同時に進む「トランプ・トレード」が勢いづいた。
市場では「ここまで共和党が強さを見せると想定していた向きは多くない。短期筋はもちろん、長期スタンスの投資家も資産配分の見直しを迫られている」(りそなホールディングス・シニアストラテジストの井口慶一氏)との指摘が聞かれた。
「議会選も共和党が勝利すればトランプ氏の政策は実現しやすくなる。前回は大統領と与党が対立する場面も多かったが、今回はその教訓を踏まえて、両者が歩み寄る姿も見られる」(外銀関係者)ことも、ドル高を支えているという。
ロイターが今月13日までに実施した調査では、トランプ氏の勝利を受けて、米債券ストラテジストが相次ぎ10年債利回りの見通しを大幅に上方修正したことが明らかになった。3カ月後の利回り予想は今回4.25%と、前回10月の3.80%を大きく上回った。
ドルが心理的節目となる155円台を上抜けたことで、テクニカル的な上値めどは前回高値の160円台まで切り上がったという。ドルの上昇は広範なため、円買い介入に対する警戒感はまだ高まっていないが、「日本当局の反応に注目したい」(FX会社関係者)との声は増えてきた。
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