- 2024/11/05 掲載
米企業、株安で経営トップ交代加速 後任探しは旧態依然=CB
[ニューヨーク 4日 ロイター] - コンファレンス・ボード(CB)が4日発表した調査によると、株価が低迷する米企業は早期にトップを解雇する傾向が強まっていることが分かった。後任を探すプロセスは過去10年間ほとんど変わっていないことも明らかとなった。
調査によると、2024年に最高経営責任者(CEO)が交代するS&P500企業の42%は、株価収益率が業界で下位25%にある。ラッセル3000指数では45%が収益率下位25%だった。
報告書の共同執筆者であるコンサルティング会社セムラー・ブロッシーのマネジング・ディレクター、ブレア・ジョーンズ氏は「企業の取締役会は明らかに、業績不振に対して忍耐強さを失ってきている」と指摘。サプライチェーンの混乱や地政学的変動といった外部要因がもはや業績不振の言い訳とはみなされなくなったため、適切な人物が会社を率いているかどうかを確実にしなければならないという取締役会の切迫感は、コロナ禍以降に大きく高まったとした。
さらに注目すべきは、経営陣の変革を日常的に要求するアクティビスト(物言う投資家)ら新たな投資家の監視が、株価の低迷とCEOの在任期間を結び付けていることだとしている。
「取締役会は、アクティビストからのCEO交代要求に対し先手を打とうとする傾向がある」とジョーンズ氏は述べた。
実際、ここ数カ月の間でも、米スターバックスやレストランチェーンのブルーミン・ブランズ、スイスの食品大手ネスレ
がCEOを交代。アクティビストとして知られる米ヘッジファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントはサウスウエスト航空のCEO交代を求めている。
一方、CEOの後任探しについて、取締役会は従来の採用パターンを固持していることも判明した。企業文化に精通し、組織に忠誠心があり、最小限の混乱で仕事に就くことができる生え抜きのベテランが好まれる傾向にあるという。
データによると、今年はS&P500企業の新CEOの77%、ラッセル3000企業の同59%が社内からの選出だった。そのほぼ半数が、最高執行責任者(COO)や社長、最高財務責任者を務めた経歴を持つという。
共同執筆者のジェイソン・シュロッツァー・ジョージタウン大学教授は「10年間とほぼ変わらず、企業はCOOを務めた50代前半の白人男性に傾いている」と指摘した。
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