- 2024/03/22 掲載
午前のドルは小幅安の151円半ば、一時151.86円と年初来高値更新
[東京 22日 ロイター] - 午前のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(151.61/63円)から小幅安の151円半ばで推移している。ドルは一時151.86円と年初来の高値まで上昇した後、利益確定売りや持ち高調整の売りに押され、上げ幅を縮小している。
ドルは朝方に一時151.45円付近まで弱含んだ。政府・日銀による為替介入への警戒感から円の買い戻しが優勢となった。仲値にかけては、国内輸入企業による買いに支えられたほか、日経平均株価が堅調に推移し、ヘッジ目的の円売りが出てドルはじりじりと上昇した。
あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は「152円にはオプションのノックアウトトリガーがあるとみられ、防戦売りも出てくる。あえて仕掛け的な買いを入れるのはタイミングとしては良くないのではないか」とみる。
ただ、152円を抜けた場合、テクニカル面から見たポイントは160円となることから、政府・日銀による為替介入への警戒感が一段と高まる。
朝方発表された2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は前年同月比2.8%の上昇で予想と一致し、相場の反応は乏しかった。また、鈴木俊一財務相が円安をけん制する発言をしたものの、そこまで強いものと受け止められず、市場の反応は薄かった。
<07:49> ドル150.80─152.10円の見通し、介入警戒感で上値重い 全国CPIに注目
きょうの予想レンジはドル/円が150.80―152.10円、ユーロ/ドルが1.0810─1.0910ドル、ユーロ/円が164.00―165.30円付近。
ドルは上値の重い展開が予想されている。足元では151円後半と、政府・日銀による為替介入が意識されやすい水準まで上昇。日本当局者から強い円安けん制発言が出れば、ポジションの巻き戻しが起きやすい。
上田東短フォレックスの営業企画室室長、阪井勇蔵氏は「151円後半では売りが出やすく、152円は近くて遠い印象」と指摘。週末を控えた持ち高調整や利益確定売りの動きも出やすいとみられ、ドル/円は151円を割り込んでもおかしくないとみる。
朝方に発表される2月の全国消費者物価指数(CPI)の結果次第では、日銀による追加利上げを巡る思惑が広がりそうだ。
今晩予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長によるイベントでの講演やジェファーソンFRB副議長とバー米FRB副議長の討論会への参加、ボスティック米アトランタ地区連銀総裁が対話集会に参加するとみられ、発言内容に注目が集まる。
前日の海外市場では、軟調な仏経済指標やスイス国立銀行(中央銀行)の想定外の利下げ決定を受けて、ドルは対主要通貨で上昇。底堅い米経済指標や低下していた米長期金利が上昇に転じたことを受けてドル買いが強まり、ニューヨーク終盤の取引水準は151.61/63円だった。
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