- 2024/03/09 掲載
中国2月CPIは半年ぶり上昇、春節の支出寄与 PPIは下落続く
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.7%上昇し、6カ月ぶりのプラスとなった。春節(旧正月)に関連した支出が寄与した。一方、生産者物価指数(PPI)は下落が続いた。
CPIの前年比上昇率は市場予想の0.3%を上回り、11カ月ぶり高水準を記録。豚肉、生鮮野菜など主要な食料品のほか、春節前後の需要増に伴い旅行の価格が上昇した。
1月は前年比0.8%下落し、14年余りぶりの大幅なマイナスを記録していた。比較対象である前年同月の数字が春節に伴う支出増で高かったことなどが響いた。
2月のCPIは前月比では1.0%上昇。1月の0.3%上昇から加速し、市場予想の0.7%上昇も上回った。
ピンポイント・アセット・マネジメントのプレジデント兼チーフエコノミスト、Zhiwei Zhang氏は「中国のデフレが終わったと結論付けるのは時期尚早だ」とし、「内需はまだかなり弱い。新築マンションの販売はまだ安定していない」と述べた。
PPIは前年比2.7%下落。下落率は1月(2.5%)から拡大し、市場予想(同)より大幅となった。PPIの下落は1年半以上続いている。
1─2月のCPIは前年比横ばいだった。内訳では食品が3.4%、非食品が0.9%、それぞれ下落した。
中国はこの1年、不動産会社の債務問題が長引く中で低成長に見舞われてきた。国際貿易の低迷や国内投資の落ち込み、地方政府の債務問題も成長を一層押し下げている。政策当局者はさらなる措置を講じ「新たな質の生産力」を生み出すと表明している。
中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は6日、1月に銀行の預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き下げたが、さらに引き下げる余地があるとの認識を示した。
李強首相は5日、2024年の経済成長率目標を5%前後に設定すると表明。インフレ目標は15年以降示してきた水準に沿って3%に設定した。23年のCPI上昇率は0.2%と政府目標を下回った。
UBSのエコノミストは今週のリサーチノートで「3%のCPIインフレ目標にもかかわらず、われわれはCPI・PPIインフレの回復が小幅にとどまるとみている。不動産不況が深まれば、デフレリスクが高まる可能性がある」と指摘した。
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