- 2024/03/08 掲載
米銀利益、第4四半期は44%減 大手行の預金保険基金補充響く
[ワシントン 7日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)が7日公表した2023年第4・四半期の米銀の利益は前年比43.9%減とほぼ半減した。
減益分の約7割は、昨春に起きた複数の銀行破綻で目減りした預金保険基金を補充するためFDICが命じた負担など、大手行における特定の非経常的な費用が占めた。23年通年の利益は2.3%減の2570億ドル。新型コロナウイルス禍前の水準は上回った。
第4・四半期の預金残高は1.1%増と約2年ぶりに増えた。有価証券の含み損は30.2%減少し、22年第2・四半期以来の低水準となった。業界全体の純営業収入もFDICの調査開始以降初めて1兆ドルを超えた。
一方、非流動債権は0.86%増加し、正味償却率(回収不能と想定する債権の比率)は0.65%に上昇。クレジットカードや商業用不動産の正味償却率が12年以来の高水準となった。
さらに、FDICは「問題のある銀行」リストに8行を追加し52行とした。ただ、これらの銀行は全体の1.1%で、保有資産は663億ドルにとどまる。
FDICのグルーエンバーグ総裁は声明で「銀行業界はインフレの継続的な影響、市場金利の変動、地政学的な不確実性による大きな下振れリスクに依然直面している」と指摘。また、オフィスなど商業用不動産融資をはじめ一部のローンポートフォリオを注視する必要があるとした。
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