- 2024/03/06 掲載
EVバス、海外勢が参入=「小回り」売り、生活の足に
高齢化や過疎化が進む地域の生活の足として、海外メーカーの電気自動車(EV)バスが注目され始めた。収益率の高い大型バスに軸足を置く国内大手メーカーの間隙(かんげき)を縫う形で、トルコの商用車大手カルサンや中国の新エネルギー車大手の比亜迪(BYD)が参入。サイズの小さいコミュニティーバスなどのニーズが高いとみて、脱炭素もアピールしつつ、自治体などに売り込んでいる。
「小回りの利く小型車に地域のニーズがあるはずだ」。カルサンの小型EVバス「e―JEST」を輸入販売する産業機械商社アルテック(東京)の担当者は、こう自信を見せる。22人乗りで価格は4730万円。既に長野県伊那市が購入の意向を示している。2024年には約30台、25年以降は年100台の受注を目指す。
カルサンは、欧州のEVバス市場で販売シェア首位。独BMW製の電池を搭載し、横滑り制御や衝突回避などの安全性能が特長で、航続距離は210キロ。全長5.9メートルと、路地にも入っていけるコンパクトな車体が売りだ。
BYDの日本法人ビーワイディージャパン(横浜市)は1月、日本専用の中型EVバス「J7」の予約を開始。25年秋の納車を予定している。乗車定員は最大61人、航続距離は約250キロで価格は4015万円。人口減少を踏まえると、将来的に地方と都市部のいずれも現在主流の大型より、40?60人乗りの中型にニーズがあるとみている。
国内勢では、新興企業のEVモーターズ・ジャパン(北九州市)がEVバスを手掛けている。高額なため、自治体の補助金が手厚い地域を中心に攻勢を掛ける。
【時事通信社】 〔写真説明〕アルテックが輸入販売するトルコ・カルサン製EVバス「e―JEST」(アルテック提供)
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