- 2024/03/06 掲載
エジプトが通貨切り下げ、6%緊急利上げ 投資資金流入に期待
湾岸諸国からの投資資金流入を通じて経済の安定を取り戻す狙いがあるとみられる。
エジプトポンドは市場の取引開始後、1ドル=30.85ポンド付近から急落。50ポンド付近に下げている。
国際通貨基金(IMF)はエジプトに為替レートの柔軟化を求めており、以前から通貨の切り下げが待たれていた。
エジプトは過去に為替レートを柔軟化する方針を示したが、エジプトポンドが下落する局面では相場を入念に管理していた。
今回は、投資プロジェクトに伴う外貨流入で通貨急落を回避できると考えている可能性がある。同国は2月下旬、アラブ首長国連邦(UAE)がエジプトの都市開発などに350億ドルを投資すると発表した。
当局者によると、既存のIMFプログラムも近く拡大される。
中銀の発表を受け、エジプトのドル建て債は急伸。トレードウェブのデータによると、2047年満期債は3.5セント高の83.2セント。
中銀は金融引き締めを加速し、基調インフレ率の低下を確実にするため、翌日物貸出金利を28.25%に、翌日物預金金利を27.25%に引き上げた。
「円滑な移行を確実にするため、引き続きノミナル・アンカーとしてインフレ率をターゲットにし、為替レートが市場原理で決まることを認める」と表明。「為替レートの統一は、外貨の蓄えの減少を促すため、極めて重要だ」と述べた。
中銀はこれまでインフレ目標を掲げる一方、為替レートの管理も目指してきた。エジプトポンドは過去1年、1ドル=30.85ポンドで固定されていた。慢性的な外貨不足の中、ポンドの価値を維持することが狙いだった。
外貨不足が深刻化した2022年初め以降、エジプトポンドは一連の切り下げで対ドルで約50%下落している。
2月23日のUAEによる投資発表後は、闇市場でエジプトポンドの売り圧力が和らいでいた。
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