- 2024/02/28 掲載
金髪ピアス、「ヒジャブ」も容認=人材確保へルール緩和―小売り・外食
小売りや外食チェーンで、従業員の金髪やピアスを認める動きが広がっている。従来は顧客感情に配慮して禁止するケースが多かったが、人手不足の深刻化や人材多様化の流れを踏まえ、身だしなみのルール緩和が相次ぐ。イスラム教徒の女性が頭部を覆う布「ヒジャブ」の着用を認める企業もある。
「私らしさを保ったまま働けるのはモチベーションが上がる」。総合スーパー「アピタ木更津店」(千葉県木更津市)で子ども服売り場を担当する片山亜未さん(42)はこう語る。ピンク色の髪と色鮮やかなネイルが目を引くが、60代の女性客は「全然気にならない。時代の流れだし、きれいにしようという心掛けはいいこと」と歓迎する。
アピタなどを傘下に持つパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは2022年、従業員の要望を受け髪色などを自由化。23年の調査では、アピタなどグループのスーパーで働く従業員で黒髪以外は約半数、うち金髪やピンクなどの「派手髪」は約2割に上った。
首都圏でスーパーを展開するベルクによると、昨年9月に髪色を自由化し、ピアスや指輪、ネイルも条件付きで認めたところ、髪を染めたくて辞めようとした学生アルバイトが継続を決めたという。担当者は「(ルール緩和は)間違いなく採用にプラス。離職も減っている」と指摘する。
人手不足で外国人材の重要性が高まる中、回転ずしチェーン「スシロー」を運営するあきんどスシロー(大阪府吹田市)は昨年11月、ヒジャブの着用とともに、宗教上の理由などで生やすひげもマスク着用を前提に認めた。スシローでは従業員の国籍が約60カ国に及び、親会社の広報担当者は「多様性を受け入れ、個性を発揮して働ける環境をつくるため」と説明している。
【時事通信社】 〔写真説明〕髪色をピンクに染めたアピタ木更津店の従業員=1日、千葉県木更津市
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