- 2025/04/22 掲載
米実業家、カザフ・レアアース開発巡り50億ドルの企業買収提案
ERGは、電子機器や防衛装備品など用途の広いレアメタル(希少金属)やレアアース(希土類)を巡って、中央アジアのカザフスタンでの大規模生産に参加する準備を進めている。
カザフ政府は、そうした鉱物資源の生産量を2028年までに40%増やす方針で、ERGが増産の主力を担うとみられている。キャメロン氏は同社を傘下に収めることで中央アジアのレアアース事業に乗り出す方針。
第2次トランプ政権の発足以降、レアアースなどの資源は注目度が増している。米中貿易戦争の激化に伴ってトランプ政権が国内産業への供給国を中国から切り替えようと、代替源を探しているためだ。
買収計画では、米金融大手ゴールドマン・サックスが助言を行う方向で予備的な協議を進めている。他の米国関係者も買収計画に参加する見通しで、オーストラリアと中東の投資家も加わる可能性があるという。
ERGは13年、創業者3人とカザフ政府によって総額45億ドルで株式が非公開化された。キャメロン氏の計画に関しERGは21日、身売り交渉の事実は一切ないとする声明を発表した。
ただ、ERGに近い関係者によると、同社とキャメロン氏の交渉は昨年末に始まったという。
キャメロン氏はかつて、ロンドン株式市場のFTSE250種構成銘柄の一つ、鉱業ペトロパブロフスクで会長を務めた。映画「タイタニック」などで知られるキャメロン監督とは別人。
ERGはカザフでレアアースとレアメタルの大規模生産に向けて準備に入っている。カザフ政府の出資比率は40%に及ぶ。同政府は昨年、鉱床探査の特別チームを編成したと発表していた。
今月に入りカザフ政府は、地質学者らは推定埋蔵量が2000万トンを超える大規模なレアアース鉱床を発見したと発表した。実際に確認されれば、カザフの埋蔵量は首位中国、2位ブラジルに次ぐ世界3位となる可能性がある。
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