- 2024/01/17 掲載
物価目標達成「射程圏内」、利下げ急ぐべきでない=ウォラーFRB理事
[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は16日、FRBが2%とするインフレ目標の達成は「射程圏内」にあるとの見方を示しながらも、インフレ率の低下が持続すると明確になるまで利下げを急ぐべきでないと述べた。
ウォラー理事は米ブルッキングス研究所での講演原稿で「ここ数カ月の経済指標で、連邦公開市場委員会(FOMC)が2024年に利下げを検討することが可能になっている」と言及。ただ、インフレが再燃したりするリスクがなくなるまで政策変更は「慎重に調整されるべきで、急いではならない」とし、自分自身が利下げを支持する前にインフレ率が目標に向かって持続的に低下していることを確認したいと語った。
その上で、利下げをいつ開始しようとも「計画的かつ慎重に」進める必要があるとし、差し迫った景気後退や衝撃から経済を守る際に実施されるような大規模で急速な利下げは行うべきでないと指摘。「経済活動と労働市場は良好な状態にあり、インフレ率も2%に向けて徐々に低下している。過去のように急速に動いたり、急激な利下げを実施したりする理由は見当たらない」と述べた。
ウォラー理事は今後予想される利下げに一段と慎重なアプローチを示すと同時に、これまではインフレ対応のみに焦点を当てていたFRBが、もう1つの責務である最大雇用の達成も含めたバランスの取れた一連のリスク管理に焦点をシフトさせていることを示唆した。
「政策の重点はインフレ引き下げに置かれていたが、労働市場の力強さを踏まえ、焦点はよりバランスが取れたものになっている」と指摘。現在の焦点は、インフレ率を2%の軌道に維持すると同時に、雇用を最大水準近辺に維持するというよりバランスの取れたものになっているとし、「現在、雇用と物価を巡る(FRBが担う)責務に対するリスクはより均衡していると考えている」と述べた。
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