- 2024/01/17 掲載
カナダCPI、12月前年比3.4%上昇と伸び加速 早期利下げ観測後退
[オタワ 16日 ロイター] - カナダ統計局が16日発表した2023年12月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比3.4%上昇とロイターがまとめた市場予想(3.4%上昇)に一致し、11月の3.1%上昇から伸びが加速した。基調的な物価上昇圧力は依然としてくすぶっており、カナダ銀行(中央銀行)が早期に利下げに転じるとの観測が後退した。
前月比では0.3%下落。こちらも市場予想に一致した。
中銀が重視する基調的なコアインフレ指標の1つであるCPIトリム平均値は前年同月比3.7%上昇と前月の3.5%上昇から加速。CPI中央値は3.6%上昇で横ばいだった。
デジャルダン・グループのマクロ戦略責任者ロイス・メンデス氏は「インフレに関するこれらのコア指標の粘り強さは、利下げへの扉を開くために今日十分な進展が見られることを期待していたカナダ国民にとっては失望的だ」と述べた。
インフレ統計を受け、金融市場ではカナダ中銀が3月に利下げを開始する確率が統計発表前の50%近くから約33%に低下。ただ、4月には0.25%ポイントの利下げが実施される可能性が高いとなおみられている。
スコシアバンクの資本市場経済担当バイスプレジデント、デレク・ホルト氏は「3月や4月までに利下げを開始することはおろか、夏季までに利下げを開始するというコンセンサスに達するためにさえ、非常に多くのことがうまくいかなければならない」と述べた。
TDセキュリティーズのチーフカナダストラテジスト、アンドリュー・ケルビン氏は、コアインフレの加速は「カナダ中銀が利下げを検討するために確認すべき進展がまだあるという事実を物語っている」と指摘。「カナダ経済に基調的なインフレの勢いが依然として存在することを考慮すれば、中銀はおそらく金融政策の緩和を検討する前にやや慎重になる必要があるだろう」とした。
カナダ統計局によると、前年同月比の上昇はガソリン価格の上昇が主因。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比3.4%上昇と11月の3.5%上昇から鈍化した。
カナダドルは序盤の下げを一部取り戻したが、依然として0.3%安の1米ドル=1.3460カナダドルで推移している。
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