- 2023/09/11 掲載
午後3時のドルは146円前半、10日ぶり安値圏 日銀総裁発言受け円高進む
[東京 11日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場終盤(147.81/85円)に比べてドル安/円高の146円前半で推移している。一時は146円を割り込み、10日ぶりの安値圏で推移した。植田和男日銀総裁の発言で円金利が急上昇したことを受けて、円買いが進行した。
植田総裁は9日付の読売新聞のインタビュー(6日実施)で、賃金上昇を伴う持続的物価上昇に確信を持てればマイナス金利解除含め「いろいろなオプションがある」と述べた。「マイナス金利の解除後も物価目標の達成が可能と判断すれば(解除を)やる」とした。賃金と物価の好循環を巡っては、来年の賃金上昇につながるか見極める段階だとし、「十分だと思える情報やデータが年末までにそろう可能性もゼロではない」と語った。
植田総裁の発言で日銀の政策修正観測への警戒感が生じ、ドルは朝方からじりじりと水準を切り下げた。円債市場で10年金利が9年ぶり高水準となる0.7%台へ上昇すると、ドルは正午前後に146円半ばまで下げ幅を拡大。午後の取引でも一段と円高が進行し、ドルは一時145.99円の安値まで下落した。
市場では植田総裁のインタビュー記事について「かなり踏み込んだ発言が確認され、タカ派的な印象だった」(野村証券のチーフ為替ストラテジスト・後藤祐二朗氏)との指摘が出ている。ただ、インタビューは6日の実施で「(8日公表の)毎月勤労統計の下振れも考慮されておらず、総裁の発言は(6日当時の)足元の円安の加速に対してタカ派的なシグナルを示していたのではないか」(後藤氏)という。
今週は13日に米消費者物価指数(CPI)の公表を控えていることもあり、このまま円高が進むとみる市場関係者の声は少ない。「週末のインタビュー記事だけでは、一段と円高が加速するほどの材料になるとは思えない」(国内銀行・チーフ為替ストラテジスト)として、ドル/円は次第に日本の長期金利動向を見極めつつ米CPI待ちとなるとみられている。
テクニカル面では、「ドルが145円をキープできるかが焦点となりそうだ」(国内証券・チーフFXコンサルタント)といい、ドルが同水準を維持すれば円安地合いは続くとの見方も出ている。
ユーロ/ドルは1.0728ドル付近でじり高。ユーロ/円は156.87円付近で、下落基調となっている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 146.20/146.23 1.0728/1.0731 156.87/156.88
午前9時現在 147.11/147.14 1.0714/1.0718 157.67/157.68
NY午後5時 147.81/147.85 1.0698/1.0702 158.16/158.19
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