- 2023/09/09 掲載
中国8月CPI再び上向く、PPIは下落幅縮小 デフレ圧力緩和
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した8月の物価統計は、消費者物価指数(CPI)が上昇に転じ、生産者物価指数(PPI)は下落ペースが鈍化した。経済に安定化の兆しが見える中、デフレ圧力が緩和した。
CPIは前年比0.1%上昇。ロイターがまとめた市場予想の中央値(0.2%上昇)は下回った。7月は0.3%下落し、2021年2月以来のマイナスとなっていた。
PPIは前年比3.0%下落。市場予想と一致した。7月は4.4%の下落だった。
国泰君安国際のチーフエコノミスト、周浩氏は「インフレ指標に若干の改善が見られる。PPIは下落幅が縮小し、緩やかな回復プロセスを示している」と指摘。
その上で「全般的には依然として需要の弱さが示されており、当面は追加の政策支援が必要だ」と語った。
今月発表された8月の貿易統計も、輸出と輸入の減少ペースが鈍化。政策当局者が需要を促進しデフレ回避を目指す中、一連の指標で景気安定化の兆しが示されている。
ANZのアナリストはリサーチノートで「成長安定化の初期の兆候が見られ、デフレ圧力が緩和しつつある。この傾向が8月のコモディティー(商品)価格上昇にも反映された」と述べた。
中国当局はここ数カ月、住宅ローン金利の引き下げなど一連の景気支援政策を打ち出している。
しかしアナリストは、労働市場の回復が鈍化し家計所得の見通しも不透明で、消費者心理を改善させるにはさらなる政策措置が必要と指摘する。
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