- 2023/09/09 掲載
NY市場サマリー(8日)ドル/円上昇、10年債利回り低下 S&P小反発
<為替> ドル/円が一時0.4%高の147.83円を付けた。昨年日本の当局による介入が行われた145円台を上回って推移している。ドル指数はこの日小動きながら週間では8週連続高となった。
鈴木俊一財務相は8日、為替相場が過度に変動する場合には「あらゆる選択肢」を排除せず、適切に対応する考えを改めて示した。
午後の取引では、ドル指数は105.05で横ばい。前日には半年ぶり高値となる105.15をつけていた。週間では0.7%上昇。2014年以来最長となる8週連騰を記録した。
UBSのFXストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は、ドル高が8週間も続くのは異例だが、ドルの上昇は毎週小さくなっていると指摘。「市場はすでにかなりドルを買い持ちにしており、上昇幅は小さい。これ以上のドル急伸は難しいのではないか」と述べた。
ユーロは週間で0.7%安と、8週連続の下落を記録した。終盤は横ばいの1.0699ドルだった。
市場は、米連邦準備理事会(FRB)が11月米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る確率は依然として40%以上とみているが、9月は金利据え置きを予想している。
英ポンドは0.1%安の1.2459ドル。週間では1%下落する基調にある。
オンショア人民元は07年12月以来の安値となる7.3510元。オフショア人民元は1ドル=7.3665元と10カ月ぶり安値に沈んだ。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが低下した。米連邦準備理事会(FRB)高官らの利上げサイクルの一時停止を示唆する発言を受けた。
FRB当局者の最近のコメントは全体として、9月19日─20日に開催される次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を維持する方向であることを示唆しているが、インフレとの戦いが終わったと宣言するには時期尚早とみられる。投資家は、13日に発表される米消費者物価指数(CPI)を注視している。
指標となる米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)低下の4.256%。10年債利回りは今週約9bp上昇と、約1カ月ぶりの大幅上昇を記録した。
30年債利回りは2bp低下の4.332%。
CMEのフェドウォッチによると、FRBが次回FOMCで金利を据え置くとの見方は93%。前日の92%から上昇した。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス72.4bpだった。
2年債利回りは4.978%と、2bp上昇した。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.312%、10年物が2.335%。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> S&P総合500種が小反発。ただ、終盤にかけ値動きの不安定な展開となり、一時の上げを削って取引を終えた。米金利動向を巡る懸念が高まる中、主要株価3指数は週間で軒並み下落した。また、今月に入り上昇を続けている原油高も圧迫要因となっている。
今後の米金利の道筋を巡る手掛かりを示す可能性があるとして、来週発表される8月米消費者物価指数(CPI)が注視されている。
CMEのフェドウォッチによると、20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、約93%の確率で金利が据え置かれると予想されている。一方、11月会合での利上げの確率を53.5%織り込んでいる。
また、米債市場で2年債利回りが上昇したことも株価の重しとなったもよう。
ラデンバーグ・サルマン・アセット・マネジメントのフィル・ブランカート最高経営責任者(CEO)は「原油価格は一段高となり、(来週発表の)米CPIは予想を上回る可能性がある」と指摘。「米連邦準備理事会(FRB)が窮地に追い込まれる可能性があるという問題がある。利上げの遅行効果を踏まえ、利上げを一時停止したとしても、終了というわけではない」という見方を示した。
週間では、S&Pが1.3%安、ナスダック総合が1.9%安で、ともに3週間ぶりの下落。ダウ工業株30種も0.8%安となった。
この日は、アップルが小反発し、0.3%高。ただ、引けにかけて上昇勢いは失速し、終値は日中高値を2ドル程度下回った。
S&P主要セクターでは、情報技術セクターが上昇して引けた。原油相場の上昇に伴い、エネルギーは0.97%高。ディフェンシブの公益も続伸し、0.96%高。
一方、不動産は0.63%安と、下げが目立った。
そのほか、スーパーマーケット大手のクローガーは3%高。調整後の四半期利益が市場予想を上回ったことが好感された。
半面、ゲーム販売のゲームストップは6%安。規制当局が同社のライアン・コーエン会長の調査を行っているという報道が売り材料となった。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.14対1の比率で上回った。ナスダックでは1.19対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は88億9000万株。直近20営業日の平均は99億6000万株。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 対ユーロでのドル高が一服したことを受けて売り圧力が弱まり、ほぼ横ばいだった。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比0.20ドル(0.01%)高の1オンス=1942.70ドルとなった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 需給逼迫(ひっぱく)懸念を受けた買いに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物は前日清算値(終値に相当)比0.64ドル(0.74%)高の1バレル=87.51ドルと、中心限月ベースで昨年11月中旬以来約10カ月ぶりの高値となった。週間では1.96ドル(2.29%)上昇。11月物は0.66ドル高の86.81ドル だった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 147.81/147.82
始値 147.38
高値 147.86
安値 147.3
ユーロ/ドル NY終値 1.0699/1.0702
始値 1.0699
高値 1.0743
安値 1.0695
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*16.50 4.3337%
前営業日終値 96*06.50 4.3530%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*29.00 4.2601%
前営業日終値 96*28.50 4.2620%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*28.50 4.3994%
前営業日終値 99*31.00 4.3820%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.63 4.9885%
前営業日終値 100*02.63 4.9550%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34576.59 +75.86 +0.22
前営業日終値 34500.73
ナスダック総合 13761.53 +12.69 +0.09
前営業日終値 13748.83
S&P総合500種 4457.49 +6.35 +0.14
前営業日終値 4451.14
COMEX金 12月限 1942.7 +0.2
前営業日終値 1942.5
COMEX銀 12月限 2317.4 ‐6.6
前営業日終値 2324.0
北海ブレント 11月限 90.65 +0.73
前営業日終値 89.92
米WTI先物 10月限 87.51 +0.64
前営業日終値 86.87
CRB商品指数 284.4746 +0.7041
前営業日終値 283.7705
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