- 2023/09/08 掲載
英アーム、NYでIPO説明会 クラウドやロイヤルティの成長見込む
[ニューヨーク 7日 ロイター] - ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームは7日、米ナスダック市場での新規株式公開(IPO)に向けた投資家向け説明会(ロードショー)をニューヨークで行った。
アームは、クラウド・コンピューティング分野でのシェア拡大とロイヤルティ収入で主に成長が見込めると訴えた。
出席者によると、会場となった高級ホテルには100人以上の投資家が集まり、レネ・ハース最高経営責任者(CEO)と経営陣はすでに99%のシェアを占める携帯電話市場以外の展望についても詳しく説明した。
世界的な景気減速の中、携帯電話需要が低迷しているため、アームの売上も停滞している。
アームは説明会で、10%のシェアしか持たないクラウド・コンピューティング市場はシェア拡大の余地があり、人工知能(AI)の進歩もあり、2025年まで年率17%の成長が見込まれると予想した。同社が41%を占める自動車市場は16%拡大すると予測される一方、モバイル市場はわずか6%の成長しか見込まれていない。
ガベリ・ファンズのアナリストは「アップルは100%アームのアーキテクチャを使っている。今後の成長ドライバーはウィンドウズPC市場でのシェア拡大だ」と指摘した。
米国との地政学的緊張が半導体の確保競争につながったことから、投資家はアームの中国へのエクスポージャーに注目している。2023年度の売上高のうち、中国での売上高は24.5%、その収益のほぼ全てをアーム・チャイナが稼いでいる。
アーム・チャイナは、同国でアームの技術の独占販売権を持つ独立企業であり、アームにとって最大の顧客だが、支払遅延の過去があり、アームのビジネスにとって「重大なリスク」をもたらすと、同社はIPO申請書で指摘している。
申請書によると、アームは3月末時点でアーム・チャイナの債務3億8690万ドルを抱えている。
ロイターが説明会後に話を聞いた投資家や銀行関係者からは楽観的な意見も聞かれたが、IPOの評判がどの程度になるかは不透明なままだった。
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