- 2023/05/26 掲載
英中銀、インフレ根付くリスク回避 一段の利上げも=ハスケル委員
英国立統計局(ONS)が24日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.7%上昇し、前月の10.1%から鈍化したものの、予想の8.2%を上回った。エネルギー・食品・たばこを除くコアインフレ率は6.8%に加速し、1992年3月以来の高い伸びとなった。
英中銀は利上げサイクルの終盤に差し掛かっているとの見方が出ていたものの、4月のCPI統計を受け、一段と多くの利上げが実施されるとの観測が強まり、英国債利回りが上昇(価格は低下)するなどの動きが出ている。
ハスケル委員は米ピーターソン国際経済研究所で行った講演で「一段の利上げを否定できない」とし、「インフレ・モメンタムのリスクへの対応に傾くことを選ぶ。現在の状況は困難だが、インフレが根付くのはさらに悪い」と述べた。
その上で、一部の指標は緩和しつつあるものの、英国の労働市場はなお極めて引き締まっているとし、過度な物価上昇を起こさずに経済が成長する余地は狭まっていると指摘。中銀がインフレ指標として注目しているコアインフレ率の4月の上昇が一過性のものだったことを望むと述べた。
講演後の質疑応答では、金利に関する市場予想について直接的なコメントは避け、インフレ持続が証明されれば金融政策は引き締められると改めて表明した。
英中銀は2021年12月以降、12回の利上げを行い、政策委金利は現在4.5%。市場では現在、金利は今年11月までに5.5%に達するとの予想が出ている。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR