- 2023/05/26 掲載
効果・副作用変化なら政策修正も=急いで引き締め「マイナス」―植田日銀総裁インタビュー
日銀の植田和男総裁は25日、時事通信などのインタビューに応じ、現在の長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)を柱とする金融緩和策について「効果と副作用をにらみ、そこのバランスに変化があればYCCの修正はあり得る」と語った。一方、「あまり急いで引き締めをすると雇用などに大きなマイナスの影響が及ぶ」とも述べ、現時点では金融緩和の維持が適当との考えを示した。
植田氏は基調的な物価の動きに関し、「少しずつ上がってきている」との認識を表明。消費者物価の前年比上昇率が2%を超える状態が続いていることについては「(上昇が)食料やエネルギーにかなり集中しており、国民に大きな負担になっていることは意識している」と強調した。
一方、輸入物価の上昇が一服しつつあり、「全体のインフレ率は今後下がっていく」と指摘。日銀が掲げる2%物価目標の持続的・安定的な実現には「届いていない」との認識を示した。
物価目標の位置付けについては、「(物価面で)良い芽も少しずつ出てきており、目標を簡単に変えるべきではない」と言明。「企業収益や雇用、賃金が増加していく中で、物価も2%くらい上昇する好循環を目指している点は政府と一致している」と話した。
日銀は4月の会合で、過去25年間の金融政策に関する「多角的なレビュー(検証)」を実施することを決めた。植田氏はレビュー中も「必要に応じて政策を変更、実施することはあり得る」と述べ、レビューとは切り離して政策判断を行う方針を明らかにした。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える日銀の植田和男総裁=25日午後、東京都中央区
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