- 2023/05/25 掲載
セブン&アイ、井阪社長続投へ 米ファンドの提案を否決
[東京 25日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスが25日開いた定時株主総会で、井阪隆一社長の退任を求めていたアクティビスト(物言う株主)の米投資ファンド、バリューアクト・キャピタル・マネジメントの提案が否決された。会社側の取締役選任案は全員可決され、井阪社長は続投する。
バリューアクトはセブン&アイHDの株式4.4%を保有し、コンビニエンスストア事業のスピンオフ(分離)や井阪社長らの退任を要求している。バリューアクトのサステナビリティ責任者ブリットニー・レビンソン氏ら4人を取締役候補として提案。米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)、グラスルイスは同提案への賛同を推奨、会社提案には反対推奨していた。
セブン&アイHDが4月に発表した23年2月期の営業利益は前年比30.7%増の5065億円と、過去最高を更新した。売上高は同35%増の11兆8113億円と、日本の小売業として初めて10兆円を超えた。ただ、好業績のけん引役はコンビニ事業となっており、百貨店事業の売却やスーパーマーケット事業の立て直しが課題となっている。
井阪社長は株主総会で、高齢化社会や単身世代の増加に伴い「これからの時代はスーパーマーケットとコンビニのシナジー(相乗効果)は大きく花開く」と主張した。身近なコンビニでの生鮮産品などの調達は今後の日本の消費社会にとって重要になるとし、引き続き「食」の強みを生かして両事業を強化していく意向を示した。
百貨店事業のそごう・西武の売却手続きに関しては「合意形成に向けて努力を続けている最中で、今の段階でプロジェクトを中止する考えは持っていない」と語った。
一方、株主提案が否決されたバリューアクトは、セブン&アイの取締役や株主と次のステップについて議論することを期待している、とのコメントを発表した。
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