Microsoft Azureは、パブリッククラウドとして利用できるマイクロソフト提供のクラウドサービスです。Azureと同様の他社サービスとしては、AmazonのAWS(Amazon Web Service)やGoogleのGCP(Google Cloud Platform)などがあります。ではAzureは、他社サービスに比べて、どのような特徴があるのでしょうか。本稿では、Azureでどのようなことが実現できるか、機能面や料金体系、Azureを利用するメリットなどを解説します。また、Azureの代表的な資格を、初級・中級・上級の3段階分けてまとめました。
Microsoft Azure(マイクロソフト・アジュールと読みます)とは、2010年2月にマイクロソフトが「Windows Azure」としてサービスを開始したクラウドサービスです。2014年に「Microsoft Azure」に名称変更を行い、現状の名前になりました。Azureの提供サービス形態と料金体系について、以降でさらに詳しく解説します。
・Azureの提供サービス形態
Azureの提供サービスは、IaaSとPaaSで構成されます。IaaSとは「Infrastructure as a Service」の略語で、ハードウェアやネットワーク環境などのインフラ環境全体を、インターネット上のサービスとして提供することを指します。利用者側は、オンプレミス環境を整える必要がなく、契約をすればすぐにインフラ環境を利用できます。
AzureはIaaSとPaaSで構成
(出典:マイクロソフト)
PaaSは「Platform as a Service」の略語で、WindowsやLinuxなどOS(オペレーションシステム)レベルの環境を提供するサービスです。PaaSを利用すると、OS上でアプリケーションソフトやデータベースを稼働でき、プログラム実行環境としても利用できます。
クラウドサービスには、SaaSと呼ばれる種類のサービスもあります。SaaSとは「Software as a Service」の略語で、アプリケーションソフトをインターネット上で利用できるサービスです。マイクロソフトでは、AzureのほかにSaaSとしてMicrosoft 365やOneDriveを提供しています。