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- 2021/02/15 掲載
ビジネスSNSとは何か?なぜ必要?リンクトインとEightが語る「キャリア形成の新常識」
海外では当たり前? 「ビジネスSNS」が求められる理由
FacebookやTwitterなど、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)は、今や誰もが利用している当たり前のサービスになった。また、クローズドな環境で利用する「社内SNS」を導入する企業も増えている。その中で「ビジネスSNS」と呼ばれる新しいジャンルのSNSに注目が集まりつつある。全世界で7億4000万人が利用している「Linkedin(リンクトイン)」、国内280万人が利用するSansanのEight(エイト)などが、その代表だ。では、ビジネスSNSと従来のSNSとは何が違うのか。リンクトイン・ジャパン Senior Managerの早瀬 恭 氏は、次のように説明する。
「ビジネスSNSとは、ビジネスで得た社会的な関係性を構築・維持して、適切なコミュニケーションを取って、さらなるビジネスチャンスにつなげていくためのプラットフォームだととらえています」(早瀬氏)
Sansan 執行役員 Eight Career部 部長の小川 泰正 氏も、ビジネスSNSが求められる背景について次のように述べる。
「数年前、弊社が実施したアンケートでは、プライベートとビジネスでSNSを分けたいと考える方が8割以上いました。そのニーズに応えるSNSがビジネスSNSだと考えています」(小川氏)
なお、早瀬氏によれば、SNSをプライベートとビジネスを分けるのは海外では当たり前だという。そして、キャリアアップと転職が密接に結びついている海外では、個人にとっても企業にとってもビジネスSNSが重要なツールになっているという。
リンクトインやEightユーザーのSNS活用方法
では、リンクトインやEightのユーザーは、具体的にどのような使い方をしているのだろうか。1つは情報収集だ。業界のオピニオンリーダーを登録して意見を聞いたり、業界ニュースを確認したりするユーザーは多い。また、リンクトインでは、疎遠になってしまった前職の友人、アルムナイ(alumni)など、複数のコミュニティを利用しているユーザーも少なくないという。「リンクトインは『世界で働くすべての人のために、経済的なチャンスを作り出す』というビジョンを掲げています。転職も含めて、あらゆるチャンスを作り出せるプラットフォームを目指しています。使い方は『自分を高める』『人脈を拡げる』などさまざまですが、ほかのSNSとは使い方に大きい違いがあるのは確かです」(早瀬氏)
また、米調査会社Business Insider Intelligenceのデータによれば、リンクトインは「もっとも安心して投稿できるSNS」として、2017年~2020年にかけて1位をキープしている。
一方のEightは、名刺を起点に“弱いつながり”を作れるのが特徴だと、小川氏は次のように説明する。
「名刺を登録するとEight上でビジネスプロフィールが作成され、名刺を交換した方々とオープンなやり取りが可能になります。さらに、現在のように直接会うことが困難な状況でも、オンラインで名刺交換ができます。このように、名刺交換の延長線上で、ビジネスに有益な“弱いつながり”を維持・構築できるのが、Eightの強みになっています」(小川氏)
この“弱いつながり”をベースに、企業向けに広告出稿やダイレクト採用などのサービスを提供しているのもEightの特徴だ。たとえば、同社は「Meets/(ミーツ)」というビジネスイベントを開催しているが、テーマに応じて、関連性が高いユーザーに対して広告出稿や集客メールの配信ができる。また、オンライン名刺は、名刺交換だけでなくさまざまなビジネスイベントのエントリーや参加者情報管理に活用できるサービスも提供しているという。
【次ページ】日本で「ビジネスSNS」は根付くか?
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