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  • 2017/06/08 掲載

ベンダーからメンターへ、B2Bセミナー企画のポイント「普遍的概念」を導出せよ

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見込客の獲得、育成手段として「セミナー」は有効なコンテンツです。セミナーを、見込客を発掘し、育成していくキラーコンテンツにするためには何をすべきなのでしょうか。クライアントが企業に求めているのは、ベンダーではなく「メンター」的な存在です。セミナーにおいては、いかにその製品を使いこなし、当該テーマの課題を解決できるようになるか(How)、同一カテゴリー内の他社製品も含めたソリューションを選択できるようにするための判断材料(Which)を提供することが必要です。今回は、自社製品の普遍的概念を導出し、セミナー企画に反映させるためのB2B企業製品のフレームワークを紹介しましょう。

自社製品の普遍的概念をいかに導出するか

 前回記事では、見込客の獲得手段としての「セミナー」を企画する際に重要な「わかるの素」と「できるの型」を解説しました。

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 今回は、「『できるの型となる自社製品』が使用されるテーマ・シーン・課題における普遍的概念を、いかにして導出するか?」について説明します。私がセミナーを企画する際に活用している、B2B企業製品の普遍的概念導出フレームワークを用いて説明しましょう。

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普遍的概念導出シート

 まず、A欄にセミナーで紹介したい製品名。B欄にAの製品が使用されるテーマ・シーン、Aを使用してユーザーが行う業務を記入します。

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A:紹介したい商品(製品)名、B:Aを使ってユーザーが行う業務をできるだけ細かく記入する

 次に、左端にユーザー(見込客)がその製品を使うことで到達している・実現されている「あるべき状態、望ましい姿」を、右端に自社製品の「使い方、特長」を記入します。

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製品を使うことで実現できる「あるべき状態、望ましい姿」と、自社製品の「使い方、特長」を記入する

 この「あるべき状態、望ましい姿」と「使い方、製品特長」の間をつなぐ=橋をかけるものが「普遍的概念」になります。

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「あるべき状態、望ましい姿」と「使い方、製品特長」の間をつなぐものが「普遍的概念」

普遍的概念を導出する5つの効果的アプローチ

 この橋をかける作業を行う際、取れるアプローチはいくつかありますが、ここでは最も効果的なものを5つ挙げます。

A.「不足」による導き方
「あるべき状態、望ましい姿」に到達するために、「自社製品」だけでは解決しきれない考え方、法則。

B.「習熟」による導き方
「自社製品」をより良く使いこなすために、身につけて、理解しておきたい考え方、法則。

C.「方法」による導き方
「自社製品」に至った問題解決・理想実現のためのアプローチ。

D.「理由」による導き方
「自社製品」を開発・実装するに至った(採用した)理由、背景。

E.「対話」による導き方
知らない人に説明して、驚きが大きい情報。


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普遍的概念を導出する5つの効果的アプローチ

フレームワークで導出したセミナーの具体例

 それでは、このフレームワークを使用して、実際に私が開催している動画制作ワークショップと、そこで使用している動画制作ソリューション「1Roll for business」を例に取って記入すると以下のようになります。

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動画制作アプリ「1Roll」のセミナー企画の場合

 次に橋をかける作業ですが、「あるべき状態」に対応できている「特長」は図のように線でつないでしまいます。

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「あるべき状態」に対応できている「特長」は線でつなぐ

 線でつないだら、その枠内の概念を言語化します。ここでは、A.「不足」による導き方とD.「理由」による導き方を使用しました。

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1Rollにおける普遍的概念の導き方

 こうして導出した1Rollが使用される「ECサイトの製品販促のための動画制作」の「普遍的概念」は以下のようなものでした。

・撮影対象に合わせて動画化すべきポイント、判断基準
・撮影対象に合わせた、撮影場所や小道具などの演出方法
・人が出る場合の演技指導、ノセ方
・プロデューサー、ディレクターとして巻き込んだり、公開基準をつくれる力

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1Rollの普遍的概念。あらゆる製品は、多くの場合普遍的概念が複数導出される

 1Rollに限りませんが、普遍的概念は複数導出されるはずです。セミナーではできるだけ小難しい話はせず、できるだけ最も価値のある普遍的概念を絞り込んで伝えるべきなので、「普遍的概念」が複数存在した場合は以下の選択基準を参考にして下さい。

・ワークショップで体験できるか?
・最もユーザーのニーズが多そうか?
・最も製品(ツール、サービス)の使いこなしに必要か?
・最も製品の価値を体験してもらえるか?

 複数存在した1Rollの普遍的概念の中から、セミナーで最も伝えるべきものを、私は「撮影対象に合わせて動画化すべきポイント、判断基準」としました。

 これを、セミナーのプログラム構成シートに落とし込めば、わかるの素とできるの型がセットになったセミナーが完成します。

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1Roll EC担当者向け動画制作ワークショップのプログラム構成シート

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1Roll EC担当者向け動画制作ワークショップのプログラム構成シート(2)

【次ページ】わかるの素とできるの型がセットで提示される効果
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