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- 2016/12/28 掲載
インフラ投資に沸くアフリカ市場、進出する日本企業に勧める5分野と3つの準備
リソース経済と産業経済から成り立つ「アフリカ」という成長市場
アフリカには54の国があり、宗教も人種もカルチャーも多様だ。経済は、石油や鉱物といったアフリカの天然資源をベースにした経済(以下、リソースベース経済)と、通信、IT、観光、金融、農業などの産業による経済(以下、産業経済)の2つのから主に成り立っている。
国、地域ごとの特性があり、たとえば東部のケニア、エチオピア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニアあたりの経済はほぼ産業経済で成り立っている。ナイジェリアは石油資源が豊富で、政府歳入の70%程度が石油・ガスに由来し、外貨収入の90%も石油・ガスによる。一方、南アフリカ共和国はアフリカの中でも経済活動に多様性を持つ国の1つであるものの、現状では金、銅、プラチナ、石炭といった天然資源が経済の中心だ。
アフリカ地域3つの成長要因と3つの課題
アフリカ成長の要因は主に3つ。1つ目は経済面、社会面、政治面での進化。2つ目は、民主化の進展。そして3つ目は紛争地帯を減少させる取り組みの進展だ。そうした背景のもと、今後の成長機会を実際のビジネスの機会にうまくつなげていくことが重要だ。フロスト&サリバンではアフリカ54カ国の中でも、今後長期的に投資機会・ビジネス機会に繋がる国として、南アフリカ共和国、モザンビーク、アンゴラ、エチオピア、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ナイジェリア、ガーナ、コートジボワール、エジプト、アルジェリア、モロッコの14カ国を特定してモニタリングを行っている。
成長には3つの課題がある。1つ目が天然資源の活用。2つ目が地域統合。3つ目が新しいビジネスモデルの構築だ。
アフリカでは石油や金などの鉱物に代表される天然資源が豊富に採れる。しかし、たとえばナイジェリアの場合、国内に自国の石油精製所を持たないため、中東を中心とした海外に原油をそのまま輸出し、精製油製品を海外から輸入している。自国で産出される資源を自力で活用できないのだ。
次に地域統合が重要だ。先ほど例に挙げたナイジェリアでは、採れた石油の大部分を中東に輸出している。そこで、アフリカ地域内での取引を活性化する必要がある。現在、アフリカ地域内の貿易の割合(域内貿易の比率)はおよそ12%から13%程度となっている。この数字は、アジアや東ヨーロッパなどの他の振興経済地域と比べても3分の1程度と、低い割合である。自国内、地域内での取引が進み、アフリカ地域内の貿易の割合が上がれば、アフリカ自体の経済発展につながる。
3つ目が新しいビジネスモデルの構築だ。アフリカの多くの国々において、政府が産業を発展させる十分な力がない。そのため、新しいビジネスモデルの構築が急務とされる。これはアフリカに限らず世界的な課題で、こうした動きは世界中で始まっている。
【次ページ】アフリカ金融市場はビジネスチャンスが豊富
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