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- 2015/04/17 掲載
村井 純氏が語るインターネット前提時代、2045年に訪れる「シンギュラリティ」とは何か?
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インターネット前提時代、村井 純氏が若い世代に何を語ったか
教育とテクノロジーの祭典「EDU×TECH Fes2015」に登壇した慶應義塾大学の村井 純教授は冒頭で「いま、インターネット前提社会の先にあるものが一番面白い。CPU、ストレージ、ネットワークなど、コンピュータの能力は指数関数的に飛躍し、そのパフォーマンスは無限にあると思ってもよいだろう。これからは性能を気にせずに、何ができるのかを考えるべきだ。そして創造性を養うことが重要になる」と述べて、会場に訪れた多くの若い世代にエールを送った。
インターネット前提社会において、日本にバラ色の未来が訪れるのか。これについては、大きな疑念を抱かざるを得ないところもあるようだ。村井氏は、GEのシンクタンクによる2013年世界の経営層の意識調査「GEグローバル・イノベーション・バロメーター」の結果を挙げた。イノベーションにデータを利活用している日本の経営者は、世界で最下位という惨憺たる結果が出たのだ。
「日本ではデジタルデータを使って新しい経営を絶対にしようとしない経営者ばかりということだ。この事実をしっかり若い世代に考えて欲しい。また米国では、ユーザー企業にIT技術者の7割以上が在籍しているのに対し、日本ではITサービス企業にIT技術者が集中している。この違いが日本の未来を大きく変えてしまうことになるかもしれない」(村井氏)
これからインターネット前提時代になっていくとき、若い世代には好きなことをやってもらいたい。村井氏は「しかしその前に先端技術をしっかり理解して使い熟し、伸び伸びと問題解決に当たれる人材になって欲しい」と語った。
CPU性能も限界がなくなることで、世界はどのように動いているか。その動きは実は1999年から始まっており、地球外知的生命体、つまり宇宙人の探索を行う科学実験として「SETI@home」という分散(グリッド)コンピューティング・プロジェクトが、カリフォルニア大学バークレー校の運営で始まった。インターネットで互いにつながったコンピュータの巨大なCPUパワーにより、宇宙からの交信データを分析しようという試みだ。このプロジェクトでは、全世界で520万人ものボランティアが参加し、総計200万年分のCPU時間が使われた。
一方、タンパク質の折りたたみ構造を解析して難病治療に取り組む分散コンピューティング・プロジェクト「Folding@home」では、2007年からソニーのPlayStation 3が大きな威力を発揮し、ギネス世界記録にも認定された。
「将来的には、こういった役割をブラウザ上のJavascriptによる計算で担おうとしている。世界中のコンピュータのブラウザを使って計算できる夢があるから、計算量も無限大になると考えてもよいだろう。このようにCPU性能もネットワーク性能を何も気にせずに、データも無限になるような時代がくれば、やがて世界がひっくり返ってしまうはずだ。このインパクトについても、いまから我々は考えていく必要がある」(村井氏)
【次ページ】IoT、ディープラーニングの登場で訪れる「シンギュラリティ」
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