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- 2013/08/15 掲載
突然の保守契約打ち切り!?星野リゾートが語る、インドオフショア開発への挑戦
当初は“100%あり得ない”と考えていたインドでのオフショア開発

グループ情報システム
ユニットディレクター
久本 英司 氏
「新しい施設を作った時のLANの構築や突発的に発生する事故などもあり、その対応が長期間に及ぶとアプリケーションの開発にどうしても影響が出てくる。それで2012年からIT関連部署を4つに分けた。」
これまで同社では約10年にわたって、社外の小さな1つのシステムハウスに、システムの開発と運用とを依頼してきた。コスト削減を優先するために、仕様書を作ることもなかったという。
「その会社が突然、受託開発よりもクラウドサービスに注力するという方針を打ち出し、半年後には保守契約を切って欲しいと言ってきた。」
予約システムや営業支援システム、あるいは人事系の勤怠システムなど稼働中のシステムは非常に多く、困り果てた久本氏は、直属の上司に当たる社長と専務に相談した。すると社長が、新たに契約する相手は日本企業にこだわることはなく、インドの会社でもいいのではないかと言い出したという。当時さまざまなメディアでインド企業が取り沙汰されていたのがその背景にあるのではないかと久本氏は笑う。
「ただ、今まで本当に小さなシステムを小さなシステムハウスで作ってきていたので、そんな我々が直接インドの会社にシステムを発注するのは100%あり得ないと思った。何より私は英語ができないし、また以前に勤めていた会社で中国企業にオフショア開発を依頼したが、あまりうまくいかなかったという苦い経験もあった。」
しかし競合他社と同じことをしていても、永遠に勝つことはできない。インドでのオフショア開発にシフトすることで発注コストが日本の10分の1になり、もし競合と同額のコストを投下すれば、数倍以上の成果を期待できる可能性がある。その場ではとりあえず一回、インド企業を見てから判断しようという話になった。
「とはいえ私は日本の会社でしか仕事をしたことがなく、インドにもツテがなかった。そこで知人からインドでのオフショア開発経験のある人を紹介してもらい、色んな話を聞いた。」
【次ページ】なぜインド企業へのオフショア開発を決めたのか
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