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IDC Japanが10日発表した国内クラウド向けサーバ市場の最新予測によれば、2016年の国内クラウド向けサーバ市場は、出荷台数が8万8,400台、出荷金額が293億円になる見込みとなった。2桁を超える高成長が見込めるものの、サーバベンダー間の競争が激化することは必至という。
IDC Japanは10日、国内クラウド向けサーバ市場の最新予測を発表した。この予測は、2011年の出荷実績と市場動向にもとづいたもの。これによると、2016年の国内クラウド向けサーバ市場は、出荷台数が8万8,400台、出荷金額が293億円になると予測した。
IDCのいう「クラウド向けサーバ」とは、クラウドサービス提供用のICT基盤を構築するために出荷されたサーバハードウェアのこと。また、IDCはクラウドサービスの8つの重要な特徴を定義している。具体的には、「共有、標準化されたサービス」「ソリューション化されたサービス」「セルフサービス」「エラスティクスケーリング」「従量課金」「インターネットなど普及しているネットワークで利用可能」「標準的なクライアント環境」「サービスインターフェースの公開/提供」。
2011年の国内クラウド向けサーバ市場は、出荷台数が国内サーバ市場全体54万3,900台(スーパーコンピューター「京」を除く)の4.4%にあたる2万4,100台、出荷金額が84億5,500万円であったと試算した。
国内クラウド向けサーバの出荷台数内訳は、プライベートクラウド向けサーバが1.8%、パブリッククラウド向けサーバが98.2%だった。同様に出荷金額別では、プライベートクラウド向けが2.3%、パブリッククラウド向けサーバが97.7%だった。
2016年における国内クラウドサーバ市場は、出荷台数が8万8,400台、出荷金額が293億円になると予測しており、2011年~2016年の年間平均成長率は、出荷台数が29.7%、出荷金額が28.2%になる見込み。なお、2016年の国内クラウド向けサーバの内訳は、プライベートクラウド向けサーバの出荷台数が13.8%、出荷金額が16.3%、パブリッククラウド向けサーバの出荷台数が86.2%、出荷金額が83.7%と予測しており、プライベートクラウド向けの割合が増加する見込み。
IDC Japanでは、国内クラウドサーバ市場は2桁を超える高成長が見込めるものの、サーバベンダー間の競争が激化することは必至と指摘。同社のサーバ リサーチマネージャーの福冨 里志氏は「クラウド向けサーバビジネスにおいて、サービス事業者の基盤構築をターゲットにするのか、一般企業の基盤構築をターゲットとするのかを明確にすべき。特にシステムインテグレーターやITサービス提供者としての機能を併せ持つサーバベンダーは、一般企業の基盤構築をターゲットにする場合、どのセグメントに自社の顧客が多く存在するのか棚卸した上で、製品開発部門、営業/マーケティング部門、およびサービス部門で中長期的戦略を共有すべきである」と述べている。
なお、本市場予測では、ホステッドプライベートクラウドサービス用インフラとして出荷されたサーバは、すべてパブリッククラウド向けサーバとして扱っている。ホステッドプライベートクラウドサービスにはデディケイテッドプライベートクラウドサービスやコミュニティクラウドサービスが含まれる。また、ストレージサーバとしてクラウドサービス用に出荷されたサーバは、クラウド向けサーバに含まれていない。
今回の発表はIDCが発行した「国内クラウド向けサーバ市場 2011年の実績と2012年~2016年の予測:仮想化からクラウドへの道程」(J12220107)にその詳細が報告されている。
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