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オリンパスの粉飾や大王製紙の役員横領など、コンプライアンスに違反する不祥事や事故が多発した結果、「第三者委員会」を設置する例が増えている。調査にあたった帝国データバンクは「第三者委員会は不祥事が発覚したときの免罪符ではない」との厳しい見方を示している。
帝国データバンクは2007年1月~2011年12月の5年間に、不祥事や事故などを理由に第三者委員会を設置した上場企業127社の事例132件を調査分析した。
調査によれば、第三者委員会の設置理由でもっとも多かったのは、社員が循環取引や売上計上の前倒しなどにかかわった「架空取引」の26件だった。2位は、役員が粉飾決算にかかわった「粉飾」の23件。3位は、子会社の社員が架空取引にかかわった「子会社架空取引」の15件。4位は、社員が資産の償却不足や資産水増しなどで利益を水増しした「利益水増し」の10件となった。
第三者委員会を設置した企業は、単独上場ではジャスダックの28社が最多で、これに東証1部の25社、マザーズの14社が続いた。
委員会の構成メンバーには、弁護士が264名以上、公認会計士が130名以上、弁護士兼公認会計士が3名以上参加していることが明らかになった。
第三者委員会の設置理由は、上位5位までが決算にかかわるものだった。そのため、本来監査法人などが発見・是正・指摘するべきことで、専門外の弁護士が多く関わっていることが異例というべき事態になっていると帝国データバンクは指摘している。
第三者委員会は法的に制度化されたものではなく、それを意味する名称も複数ある。第三者委員会には社内のメンバーが加わっている例もあるなど、中立性が担保されているのか疑問に思われるケースもあり、相次ぐ不祥事に対する実効性に疑問がある。帝国データバンクは「第三者委員会は不祥事が発覚したときの免罪符ではない」との厳しい見方を示している。
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