- 2008/11/14 掲載
アイアンポート、中堅中小企業向けWebセキュリティ製品を提供、大規模向けと同一機能で
アイアンポートはもともとEメールセキュリティの分野で活躍してきたが、最近ではセキュリティの脅威の多様化に伴い、Webセキュリティ分野に力を入れている。「ミック経済研究所の調査によると日本のEメールセキュリティアプライアンスの市場でNo.1の売り上げ(代表取締役社長 原田 英昭氏)」。
中でも、最近マルウェア・スパイウェアで猛威をふるっているというStorm.netでの例を紹介。一見youtubeへのリンクのように見えるサイトへのアクセスを促すメールが届いたあと、クリックしてしまうと、ユーザーのPCに悪意のあるプログラムを埋め込まれてしまう仕組みだという。「Angel PCがDevil PCに変わる瞬間(Senior Product Manager Nick Edwards氏)」。
アイアンポートでは多様化するセキュリティリスクを防止するため、Iron Port Sシリーズを提供しており、今回提供するS160はSMB向けに機能を統合。Webプロキシ&キャッシング、アンチスパイウェア、アンチウイルス、アンチフィッシング、URLフィルタリング、ポリシーマネジメントなどが1台で利用できるという。
スパイウェア・マルウェア対策では、悪意のあるサイトへの接続前、悪意のあるファイルのダウンロード、そして感染後への対応機能を搭載。中でも特にEdwards氏が強調していたのがHTTPSへのスキャン機能。暗号化された通信で悪意のあるプログラムが混入された場合、従来型のWebセキュリティ対策製品では対応できないケースもある。Sシリーズでは、オンラインバンクやヘルスケアなどのコネクションは「プライバシーにかかわる問題は個人の権利を大切にしなければならない」として中は見ずに、不明なHTTPSサイトリクエストについては、復号、スキャンするといった設定が行える。
アクセス制御機能としては、企業ポリシーを反映したアクセス制御機能などを備え、URLフィルタ、アプリケーション、ユーザーエージェントの設定が行える。管理と運用面については、日本語化されたGUIを持ち、各種レポート作成機能を持つほか、「特に集中した(Edwards氏)」というのが管理機能。マルウェア対策エンジンとして搭載されているWebrootとMcAfeeの2種類のマルウェア対策エンジンを統合管理できる。
IronPort Sシリーズはすでに、最上位機種S660、数千人規模向けのS360を発売しているが、今回のS160は1000人以下のユーザーを対象としたエントリーモデルとなる。低価格ながらも、上位機種と「まったく同等の機能を提供」しているという。上位機種との違いは、アプライアンスのハードウェアのスペックによる人数制限やストレージの容量となる。
価格はオープンプライス。参考価格は、250ユーザの場合、H/W (S160) + URLフィルタリング機能 などが付いて100万円から。URLフィルタリング機能のほか、マルウェア対策機能などもオプションで提供される。
最後に、Webトラフィックの動向について言及。トラフィックの多くは、GoogleやYahoo!など「予測可能な合法性の高い大手サイトのトラフィック」だが、それに対して個別のトラフィック量は少ないものの、種類が多い「Long Tailサイト」が危険で、そのトラフィック総量は、大手サイトのトラフィック量に匹敵するという。
また、マルウェアも、2006年に確認されたマルウェアが97万2,000だったものが、2007年は550万に急拡大していると指摘した。
中堅中小企業へのすそ野の広がりから廉価版の投入し、Webセキュリティ製品市場での多様な要望に応えていく。
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