- 2008/09/29 掲載
【レポート】ビジネスを止めないサービス実行基盤とリアルタイム意志決定のための情報管理ソフトウェア
2008年9月10日(水)開催 「NEC Middleware Day 2008」 東京・セルリアンタワー東急ホテル
強力なサービス実行基盤「WebOTX」
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「いつでも、どこでも、誰とでも、何とでもコミュニケーションができ、ネットワークを通じてITが使えるユビキタス社会が本格化しています。ここからさまざまな新しい融合サービスe-ビジネス市場の拡大といった動きが生まれてきているのは周知のとおりです。しかし一方で企業にとっての事業環境の変化という視点から見ると、業界再編やM&A、グローバリゼーションの進展といった不安材料の増加や、コンプライアンス面での負担増、ライフスタイルや生活者ニーズの多様化といったマーケットの見えにくさなど、厳しさは増すばかりです。さらにビジネスモデルそのものにも大きな変化が起きており、NGNがもたらす産業のパラダイムシフトも始まりつつあります。まさに強い企業よりも、より変化に即応できる企業が生き残れる時代がやってきているのです」。
こうした技術基盤の大きな変化を背景に、システム構築パラダイムの変化も起こっている。開発期間の短期化・コスト最適化の要請を受けて、旧来のスクラッチ開発からパッケージ、SOAによるコンポジット・アプリケーションへと進化しているという。
加えて、社会がITシステムに深く依存するようになった結果、IT基盤に求められる要件も変化してきている。より高い信頼性、ビジネスや環境の変化に即応できる柔軟性、大量の情報を迅速に処理する高速性、情報セキュリティを保つ安全性など、多くの要件がIT基盤に求められてきている。これらを実現するためにNECが提供しているのが、「サービス実行基盤 WebOTX」だと渋谷氏は言う。
「WebOTXは、NGN、ユビキタス、SOAなどの最新技術によって、新しい企業価値創造と企業基盤強化を支援するミドルウェアです。全体のサービスの基盤となる『アプリケーションサーバ』、統合ユーザーインタフェースとサービス統合による『サービスインテグレーション』、そして音声認識・合成、RFID、モバイル活用、映像・音声通信といった『サービスコンポーネント』の3つのカテゴリから構成されています」。
現代のITサービスを支えるシステムは、24時間さまざまな変化に確実に対応することが要求され、予期せぬ停止はビジネスに大きなダメージをもたらしてしまう。たとえばチケット予約や物販サイトなどのコンシューマ向けWebサイトでは、ある一定の時間に驚異的なアクセスやトラフィックが集中することも珍しくない。
「そうした場合でもWebOTXは、プロセスの優先度を制御して高負荷時のレスポンスを保証する機能や、万が一の障害発生時にも即座にその箇所を切り離して局所化する機能など、ビジネスを止めずに高品位なパフォーマンスを確保する力をもっています」。
このほかにもビジネスプロセスの変化に柔軟に対応できるプロセスエンジンや世界最速レベルのメッセージ転送性能を誇るサービスバスなど、最新テクノロジーの活用で、WebOTXはIT基盤のイノベーションを支援していくと渋谷氏は結んだ。
リアルタイムでの意志決定を可能にする「InfoFrame」
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まず井上氏は「最近の情報管理に関して、いま何が起きているのか?」として、「企業の社会責任に対する情報管理投資が活発化しており、あらゆる部門や人が情報管理に主体的に関与することが求められています」と言う。
「年金・偽装問題などで、人々の情報に対する信頼性がゆらいでいます。これを回復する仕組みを確立しなくてはなりません。さらにエコ対策としてペーパーレス化やネット流通化の促進、そして待ったなしの情報統制対応など問題は山積みです。これに対してNECは、情報統合をキーに、情報の価値を最大限に生かしつつ、社会的責任に応えられる2つの基盤を提供します。情報システム管理者へは、システム間連携を容易にする『開発力』、部門や担当者には、情報のハンドリングを容易にする『現場力』です」。
NECは2007年4月にリリースした情報管理ソフトウェア「InfoFrame」によって、社内に散在する情報を体系化し、管理可能な情報基盤として提供することを可能にした。
「InfoFrame」の大きな特徴は、「情報管理」と「情報活用」という、しばしば現場では相反する要素を統合して、ワンストップでソリューション提供できる点にある。
「情報を管理するときに、情報の価値を落としてはなりません。『統制』と『活用』の二律背反のバランスをうまく取ることが非常に重要です。セキュリティも管理するが、情報の活用性も同時に向上させるというのが、NECの考える情報管理基盤の条件です。たとえば、文書管理についてですが、最近は情報漏えいに備えて個人のパソコンに文書を置かず、社内の文書管理サーバに保存し暗号化を行うようになっています。またこの文書へのアクセス権限管理も厳重になっていますが、ここで大事なのが『使えない人を出してはならない』という考え方です。コンピュータ操作に詳しくない人が、文書管理サーバへのログオンで迷っては、文書の管理はできたが業務効率は下がってしまいます。『InfoFrame Documentum』では、統合ID管理と連携してサイレントログオンシステムによって、高いセキュリティを維持しながら、誰もが簡単に必要な文書を活用できる環境を提供しています」。
現場が必要な情報に直接アクセスでき、しかもリアルタイムな意志決定やデータ分析を実現できることが、「攻めの経営」における情報活用のあるべき姿だと井上氏は強調する。
「今までのオフィスワークでは、必要なデータを個別に集めて加工し配布しているだけで、軽く1か月くらい費やしてしまいます。しかし情報が常に統合管理されていて、しかも強力な加工エンジンがあれば、必要な時に最新情報をオンデマンドで参照・利用できるようになります。『InfoFrame』では『InfoFrame DataBooster』という大量データを高速処理できるエンジンが提供され、迅速な情報活用を可能にしているのです」。
最新バージョン「InfoFrame 2008」では、情報の統合に加えて「業務プロセスとの統合」を実現。さらに将来的には、情報の行間に隠れた「知識」や「知恵」までも統合していくことを考えているという。「文書から音声、動画まで、すべてを統合できる情報管理システムを、NECはこれからも目指していきます」と井上氏は述べて、セッションを締めくくった。
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