IDC Japanは、国内ストレージソリューション市場の中期予測を発表した。これによると、国内ストレージソリューション市場の2006年～2011年の年間平均成長率（CAGR: Compound Annual Growth Rate）は3.9％で、2006年に5,993億4,100万円だった市場規模は、2011年には7,264億5,600万円に拡大すると予測する。

　IDCでは、ストレージハードウェア、ストレージソフトウェア、ストレージサービスを合わせてストレージソリューション市場の規模を算出。2006年の国内ストレージソリューションの市場規模は5,993億4,100万円で、前年比4.4％増となった。国内ストレージソリューション市場は、2002年、2003年と2年連続マイナス成長を記録した後、2004年から2006年まで3年連続プラス成長を達成している。これは、ソフトウェアとサービスが高い成長率を維持していることに加え、2002年以来マイナス成長を続けてきたハードウェアも2004年、2005年とその減少幅が縮小し、2006年は5年ぶりにプラス成長に転じたことが影響しているという。また、ソフトウェアとサービスが堅調な成長を続けることに加え、ハードウェアもプラス成長が見込まれるため、2007年の国内ストレージソリューション市場は6,228億200万円で前年比3.9％増となる見込みと予測している。

　IDCでは、国内ストレージソリューション市場が国内IT投資の中で比較的高い成長率を維持している理由について、企業が保有するデータ量が急増するとともに、データ保護、セキュリティ、コンプラインアンスといった観点からデータ管理を実行することの重要性が増してきているためとしている。金融商品取引法や新会社法などに代表される法規制の強化や、内部統制の強化に対する要求の高まりにともない、データ管理の重要性と、それにともなう投資の増加が予測されるという。また、こうした動きは、大企業だけではなく、中堅、中小企業にも波及し、それが国内ストレージソリューション市場の成長率を下支えすると考えられると分析。

　国内ストレージソリューション市場においては、ソフトウェアとサービスの占める比率が年々上昇。これは、ハードウェアのGB（ギガバイト）単価やシステム単価が低下している一方で、データ管理にともなう多くの課題を、ソフトウェアやサービスの利用によって解決しようという国内企業の投資姿勢の変化を反映している。2003年当時、ストレージソリューション市場に占めるソフトウェアとサービスを合わせた比率は35.9％に過ぎなかったが、2006年には42.8％に上昇。IDCでは2011年には、ソフトウェアとサービスを合わせた比率が50.8％となり、わずかながらハードウェアを上回る規模になると予測。IDC Japanのストレージ/サーバーグループディレクターの森山正秋は、「ストレージベンダーが安定成長を続けていくためには、ストレージソリューション市場における構造変化を的確に把握し、新たなビジネス機会を逃さない戦略を展開することが重要になります」と分析している。

　今回の発表はIDCが発行したレポート「2007年 国内ストレージソリューション市場の競争力分析」（J7400309）にその詳細が報告されている。

Source: IDC Japan, 11/2007

国内ストレージソリューション市場の実績と予測、2003年～2011年