- 2007/08/22 掲載
【セミナーレポート】「見える化」への熱い関心に応え、注目データ連携ソリューションが一堂に集結
「見える化」を実現する 最新データ連携ソリューション体感
複雑化するシステム間連携をシンプル運用で支える
『WebSAM Ver.7』
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藤田氏は「社内に散在するデータをどう活用するかという問題の前に、内部統制対応という新たな観点から、それらのデータをどう管理するかということが問われなくてはならない」と述べた。来年のJ-SOX法施行を前に、企業内のデータを連携/統合して有効活用を図る方策が必要だが、あまりにその障壁となる課題は多い。データ型式やデータベース、プラットフォームの違いといった差異が異なるシステム間のデータ連携をはばんでおり、なおかつ大規模化/複雑化により、それらを人手で解決することはもはや不可能だ。
そうしたシステム個別のデータ連携は、データ連携ツールにより自動化することで効率化が図れるが、システム全体の視点で、業務の運用監視を行い、生涯の早期発見/早期解決を図るツールが必要となる。それが統合運用管理WebSAMだ。WebSAMでは『個別統制から全体統制へ』というコンセプトが強く意識されている。
これはNECが打ち出すデータ連携・管理の基本的な考え方となるものだ。現状の『個別統制』でのITシステム運用には限界がある。これを『全体統制』へと移行することで、各ITシステムとそこにあるデータの連携が可能になり、システム全体でのマネジメントサイクルや運用管理が実現する。
「NECはWebSAMの開発にあたって『可視化』、『判断』、『改善』の3つのキーワードをシンプル運用で実現できることを目指した。この結果、『全体統制』のシステムを誰もが簡単かつ効果的に使えるようになった」と藤田氏は語り、WebSAMが今後システムの複雑化により肥大化していくユーザの管理負荷を減らしながら、確実なデータ連携を実現するツールである点を強調した。
さらに藤田氏は、こうしたデータ連携を支援するツールとして、異種データベース間のデータ連携を可能にする『InfoFrame DataCoordinator』を紹介。操作性に優れたGUIや充実したテンプレートを利用して、ビジネスドリブンの自在なデータベース連携とデータ活用が可能になると述べた。
NECでは、WebSAMとパートナー各社との連携を強め、お客様への新たな価値創出を進めている。以降のパートナー各社の講演で紹介されたデータ連携ツールとの連携例を始めとして、PDFドキュメントフローツール「Create!XfWebフロー」を持つインフォテック・アーキテクツ社でのWebSAMの組込販売事例についてもその具体的な効果を紹介した。
可視化する『HULFT』運用管理ソリューション
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WebSAMに続いては、各パートナー製品の紹介が続いた。まず一番手としてセゾン情報システムズ 営業本部 HULFT営業部 営業支援課 課長 玉田 徹氏/HULFT開発センター 商品開発一部 木幡匡行氏が「マルチプラットホーム環境におけるHULFT運用管理ソリューション~WebSAMとのナレッジ連携によるシンプルな運用管理とは」と題して登場、セッションを行った。
玉田氏は、『HULFT』がLAN/WAN接続を始めSANや公衆回線、インターネット接続などあらゆるネットワーク環境において、複数の異なるOSやシステム環境間で業界標準のTCP/IPプロトコルにより、ファイル転送をトリガーに自動でシステム間連携を行えるソフトウェアであることを説明。
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「ファイルを単に転送するだけならばFTPで充分だ。しかしそれを『ファイルの集配信』という業務としてとらえた場合、FTPでは達成しえない信頼性や機能が必要になる」と強調。
『HULFT』とWebSAMを組み合わせることで、システム間連携における信頼性の向上や運用プロセスの可視化、さらにはナレッジ機能による障害対応の迅速化が図れる点を紹介した。
またセッション中では木幡氏が、『HULFT』とWebSAMの組み合わせ事例を、ある販売会社のケーススタディとしてデモを紹介。「当初、HULFTを導入したデータ連携業務の自動化に成功していたが、データ量の増加する月末などにデータ伝送のバッチが間に合わずエラーが発生していた。そこで、WebSAMを運用監視ツールとして導入した結果、障害検知やエラー解析が迅速かつ精細に行えるようになった」と語った。
『DataSpider Servista』のカンタン&高機能
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『DataSpider Servista』の特長は、入力側のデータ型式が何であっても、独自のアダプターを介してデータを取り込みから出力まで行えるため、ユーザーからは各データ型式の違いが隠蔽されたかたちになる。この結果、ユーザーはデータ形式の差を気にすることなく、ビジネスのオーダーに応じて自在にデータを活用することが可能になるという。
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ETLツール 『Waha! Transformer』
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セッションではデモによる実際のデータ作成イメージの紹介に加えて、WebSAMと『Waha! Transformer』の連携による効果を紹介した。
「ジョブスケジューリング型運用機能、イベントドリブン型運用機能などを用いたデータ統合・連携システムが実現され、従来の人手による運用管理で避けられなかったミスやコストの増大を回避することが可能になる。本製品とWebSAMの連携が、安心・安全なシステム運用をお約束する」と高木氏は結んだ。
データ統合ソフトウェア『Informatica PowerCenter』
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今回のセッションではデータ統合のための製品である『Informatica PowerCenter』に焦点が当てられた。この製品は、ざまざまなデータソースから必要なデータを取得し、出力先に合わせて変換を行ういわゆるETLツールだが、「メタデータ・ドリブン・アーキテクチャ」と呼ばれる独自の機能を提供している点に特長があるという。
「すべてのデータ関連情報をメタデータリポジトリに『アクティブ・メタデータ』として統合管理しているため、信頼性の高いデータ統合基盤を提供できる。また、ユーザーが求めるサービスレベルに合わせて選べる製品構成なので、小さい初期コストで始めてビジネスの成長に合わせながら大きく拡張していくことが可能だ」と並木氏は語る。
さらに具体的な活用事例として、「大規模データベース構成でのパフォーマンス向上」、「高可用性とダウンタイムの削減」、また「WebSAMやHULFTとの連携」といった事例が示され、GUIを用いた容易な構築と豊富な標準機能が、高い生産性と変更の柔軟性を約束する点が強調された。
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合計5セッションと見応え・聞き応え充分のセミナーで、早々に満席となった会場は最終セッションまでほぼ空くことがなく、社内に散在する情報資産の「見える化」に対する企業担当者の熱い関心と、ISVベンダ各社のWebSAMとの連携による新しい価値創出への期待が実感される1日となった。
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