- 2007/06/01 掲載
【CRM市場調査】CRMは部分最適化から全体最適化へ
・2006年、国内CRMソリューションの市場規模は4,413億円(前年比5.3%増) ・CRM市場は、2006~2011年の年間平均成長率は5.3%で拡大、2011年の市場規模は5,705億円の見込み ・CRMベンダーはユーザー企業のレベル、目的に合わせたソリューションの提供が必要 |
2006年の国内CRM市場は、既存システムのリプレイス案件は、老朽システムの刷新やビジネスプロセスの再構築で活発だった。新規案件は、顧客情報の分析から顧客ニーズを把握するアナリティカルCRMの導入が進み、オペレーショナルCRMで蓄積された情報、ノウハウの活用が広がっているという。
IDCは2007年1月、企業のCRM導入状況について調査を行った。調査結果によると産業分野別の導入状況では、金融、通信、公益の導入率が高く、公共機関、製造は2年以内に導入予定もしくは検討中と回答した企業が多かった。売上規模別では、売上の高さに比例して導入率は高く、今後導入予定、検討と回答した企業の割合は、逆に売上が低くなるにつれて高い結果となった。今後、中堅中小企業の導入が拡大すると見込まれる。
また、オンデマンドCRMの導入状況を、SFA、マーケティング、カスタマーサービス、コンタクトセンターの機能別に調査したという。この中で最も導入が進んでいるのはSFAで11.0%だった。オンデマンドCRMの導入を検討中、または興味があると回答した企業は、全機能において50%超えており、関心の高さを反映する結果になった。
CRMは、個別のツールを導入することによる業務効率優先の部分最適化から、CRMを複数のサービス、システムと組み合わせ、経営効果を高める全体最適化ソリューションへと進化している。このような背景より、CRMソリューションベンダーは、提供するソリューションの整備を推進している。IDC Japan ソフトウェア リサーチアナリスト 鈴木利奈子氏は、「CRMソリューションベンダーは、バージョンアップ、移行に関するサービス強化、PDCAサイクルの実践による継続的なシステム改善、エコシステム強化による競争優位の確立を実行することで、ユーザー企業のCRMソリューションのレベル、目的に合わせたソリューションを提供することが求められる」と述べている。
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国内CRMソリューション市場 セグメント別投資額予測、2006年~2011年 |
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