- 2007/04/05 掲載
【CRMアウトソーシング市場調査】今年の特需は、参議院選挙と統一地方選挙
・2006年のCRMアウトソーシング市場は5,374億円、実質2桁増 ・2007年以降も市場は拡大するが、伸び率は安定、年平均成長率は9.7%で推移。2011年度の市場規模は9,200億円。 |
ミック経済研究所(東京・港区)は、2006年度のCRMアウトソーシング市場(CTIコールセンター市場、eCTIコンタクトセンター市場、非CTIコールセンター市場、派遣・請負市場、データベースマネジメント市場、フルフィルメントサービス市場、コンサルティング市場)の調査結果を発表した。調査の対象はアウトソーシング事業者41社としている。
調査結果によると、2006年度のCRMアウトソーシング市場は、前年比107.8%の5,374億円となる見込み。ただ、1社がマイナス約150億円減(前年比90.9%)で、同社を除く前年度比111.1%と2桁台の伸び率となる。
2006年、CRMアウトソーシング需要を押し上げるトピックは、10月に開始されたMNP(携帯電話の番号ポータビリティ)で、それ以外はなかった。MNPは元々キャリア向けの業務を受託しているアウトソーサの売上増加には繋がったが、予想ほどキャリア間の動きがなかったことで、他のアウトソーシング事業者が業務を拡大するほどのコールセンター業務の受注にはつながらなかった。しかし、各アウトソーシング事業者とも得意分野で売上を伸ばしており、市場全体では好調だという。
2007年は、この市場を押し上げるトピックは、参議院選挙や統一地方選挙など選挙関連の世論調査で、前年比114.9%の6,659億円で推移すると予測される。
2007年以降の5年間は、平均成長率9.7%で推移、2011年度には9,200億円まで拡大すると予測する。今後も選挙や新技術、新サービスの開始に伴って、伸びが一時的に強まる可能性はあるものの、かつてのマイライン特需のような大きな要因は見当たらないため、CRMアウトソーシング市場は安定期に入ってきたといえる。
また、CRMアウトソーシング市場をオフサイト(CTIコールセンター/eCTIコンタクトセンター/非CTIコールセンター)、オンサイト(派遣・請負)のカテゴリ別に見ると、オフサイトの合計は、2006年で2,347億円(前年比99.9%)で、市場全体の40.5%を占める。一方、派遣・請負といったオンサイトは、同年度2,670億円(前年度比116.7%)・市場構成比46.1%となる見込み。ただし、既述した150億円減の企業がオフサイト売上に含まれており、同社を除くと前年度比107.2%と、オフサイト市場も堅調に推移する見込みである。
オンサイト売上は、2004年の個人情報保護法施行からインソースを希望する顧客が増加したことに加え、オンサイトでの対応が多い金融分野の需要拡大なども要因となって、2006年、2007年と2桁台の高い伸び率で好調に推移するとみている。
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