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- 2007/03/15 掲載
【CIOインタビュー】 食品メーカーとして、いち早くIT化を進めたキユーピー
経営革新を支える日本のCIO
キユーピー株式会社 生産本部技術企画担当部長 主席技術員 高山 勇氏 |
高山 勇氏
(Isamu Takayama)
キユーピー株式会社
生産本部技術企画担当部長主席技術員
1966年、キユーピー株式会社へ入社。
工場にて製造システム構築を数多く経験した後、技術開発部へ異動する。
1996年に技術開発部長に、2004年に生産本部技術企画担当部長主席技術員に就任し、現在に至る。
「システムを構築するためには業務を知るべき」とはよく聞くフレーズだ。それを体現しているのがキユーピーの高山氏だろう。仙川工場を手始めに、さまざまな工場の製造システムを構築。現場におけるコンピュータの活用も、食品メーカーとしていち早く進めた。当時コンピュータは経理や総務など事務職のものであり、ITセンターに置かれるものという考え方が一般的だった。しかし、高山氏は現場におけるコンピュータの有用性にいち早く気付き、コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化するFA(ファクトリオートメーション)を切望していた。
「せっかく現場にいいデータがあっても、それをノートなどに書いて、次の日に経理担当者がコンピュータに手入力していたんです。指示も紙で出てきますから、現場に伝わる速度も遅いし、ミスもある。鮮度が大切な食品メーカーとしては、戦略的にコンピュータを使っていくべきだと思いました。そこで、1989年にFA化したいとレポートを書いたのです。18年間、工場の現場で自動制御を担当していましたので、すぐできる自信があると。」
このレポートを起点として、1989年に「生産管理システム」「事故未然防止システム」「工程管理システム」の3つのシステムから成るFAシステム開発に着手する。これを10年以上かけて8つの工場に順次導入し、現場情報をデータベースに保存できるようにした。このシステムは「QITEC(キューアイテック)」として2001年に商標登録され、他の食品、医療、化粧品メーカーなどでも採用されている。
「もともとは、会社を支えてくれている従業員の心の負担を軽くして、事故やミスが起きないようにすることが目的でした。しかし、それはすなわち製品を召し上がっていただくお客様に高品質のものを安全に提供することでもあります。食品の安全性が問われている今、トレーサビリティの面からも期待をひしひしと感じます。」
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