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  • 2006/10/02 掲載

【トップインタビュー:成宮社長】ジュニアファッション市場を創造する、そのブランド戦略の秘訣

ビジネスインパクトvol.7

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誰もが絶対にうまく行かないと断言した子供服市場に 旋風を巻き起こしたナルミヤ・インターナショナル。 6ポケット、10ポケットの時代に先駆け、ジュニアという市場を作り上げた。 ブランドは、顧客に夢を提供するもの。夢が常にサプライズであるためには、 成功体験ほど邪魔なものはないと言い切る。同社は、なぜ成功することができたのか。 10年目を迎えたジュニアマーケットの仕掛け人、成宮雄三社長に聞いた。
【売上アップ】ナルミヤ・インターナショナル代表取締役社長 成宮雄三
ナルミヤ・インターナショナル
代表取締役社長 成宮雄三

─ナルミヤ・インターナショナルは、ファッションの世界で「ジュニア(10~15歳)」というマーケットを作り、そこでブランド展開をされました。この年代のファッション市場はそれまでなぜ空白地帯だったのでしょうか

成宮●
世の評論家諸氏はおそらく皆そうなのですが、子どもというと高校生以上に限定した話をします。ジュニアはその下、小学生高学年から中学生を指すのですが、この年代が難しいのは、学校や家庭の近く、あるいはディズニーランドなどにはたくさんいても、街中にはいないという実情なのです。ですから、その生態をつかむことがなかなかできない。

 しかも実際に彼女らと話をしても、マーケティングという意味での意思疎通は簡単ではない。彼女らは自分の思いをまだうまく表現できませんから。だから、どこも積極的にこの年代の市場を取りにいかなかった。無難な既製服以上に、冒険をしなかった。何か提案をしても、売れるマーケットではないという既成概念ができあがってしまっていたわけです。


あこがれのアイドルが着る
カラフルな衣装を作る


─そもそも、「K─ファクトリー」という婦人服ブランド、ベビー・トドラー(乳幼児)ブランドとして「ミニ─K」を発表して成功を収めたナルミヤ。そのミニ─Kの顧客から「小学生になると着せる服がない」という声を聞き、ミニ─Kのサイズを少し大きくして売り出したものの、売上はあまりよくなかった。そこから本格的に、ジュニア市場へのマーケットリサーチを始められたと聞きますが

成宮●
実際に百貨店など、小中学生の女の子が、お母さんと買い物にくる売場によく行きました。確かにそこには、ただただ機能的な服しかありませんでした。子どもは嫌がるのですが、母親としては仕方なく買っていくのですね。この層の場合、子ども自身が着たい服で、かつ親が着せたい、少なくとも着せてもいいと思う服でなければ買ってもらえない。両方の意志がともに重要なわけです。ところが、売場にはどちらのニーズも合致する服がなかった。全国の子供服売場で、同じ光景が見られることが分かったのです。

では小中学生の女の子たちの目線はどこにあるのか。どんな服を着たいと思っているのかと考えた時、リーダーに流されるという特徴に気が付いたのです。あこがれが非常に強い。中でも彼女たちが大好きなのが、アイドルです。アイドルが着ているようなおしゃれで楽しい服が着たいのです。ではアイドルはどうしているかというと、当時はスタイリストが外国に行って購入していました。


─それで、海外に視察に行かれた

成宮●
そもそも高島屋時代にニューヨークにおりまして、それこそ米国中を回りましたから、土地カンはありました。世界中を回り、子どものいそうなところを巡りました。欧米の場合は制服がない場合が多いですから、しっかりと観察をしていれば、アイドルが好みそうな服、ジュニアがあこがれる服というものが分かってくる。それで仮説が生まれたのです。

それは「明るくて、しかし親がお金を出す以上、健康的なものでなければいけない」ということ。その仮説を元に最初に作ったテーマは『カリフォルニア』でした。青い空と緑の芝生に映えるファッションです。だとすれば、とにかくカラフルなものがいいはずだと思いました。またあの世代は、やはりかわいい物が好きだろうと思い、キャラクターも必要だと思ったわけです。


─当時の日本のジュニア服は地味な物だったのでしょうか

成宮●
色は白、ピンク、薄いブルー、ベージュ。この4色しかありませんでしたね。だから、カラフルにすれば、絶対に受けるはずだと考えたのです。
 もう一つ大事だと思ったのは、子どもたちは常に目線が上向きだということです。といっても大人にあこがれるのではなく、3歳から4歳上を見ている。だから、中学生で言えば、せいぜい高校2年から3年生です。そういう意味でいえば当時のアイドル「SPEED(以下:スピード〈※1〉)」は格好の的でした。


─「スピード」がデビューし、貴社がスタートしたばかりの最初のジュニアブランド「エンジェルブルー」の洋服を着たのは、貴社が仕掛けたものだったのですか

成宮●
仕掛けてはいないです。多分、彼女たちのスタイリストのセンスに合っていたのだと思います。海外に行かない限り、ほかにない服でしたから、ずいぶん買っていただきました。
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