- 2006/07/11 掲載
【セキュリティレポート】IDC Japan 塚本氏「2006年以降も情報セキュリティ対策の強化は継続」
【セキュリティ】国内セキュリティ市場予測を発表
■2005年の国内セキュリティソフトウェア市場は前年比21.9%%増の1,324億円、国内セキュリティアプライアンス市場は前年比28.0%増の260億円、国内セキュリティサービス市場は、前年比15.2%増の4,172億円となり、いずれも急速に拡大
■2005年~2010年の年間平均成長率(Conpound Annual Growth Rate:CAGR)は、国内セキュリティソフトウェア市場11.2%、国内セキュリティアプライアンス市場15.2%、国内セキュリティサービス市場16.6%と予測
IDC Japanは、国内セキュリティ市場の予測を発表した。調査結果によると、国内セキュリティ市場は、2003年~2005年、企業のセキュリティ意識の向上を背景に、ソフトウェア、アプライアンス、サービスそれぞれの市場において急成長した。頻発する情報漏洩事件や個人情報保護法の施行、日本版SOX法の発表等により、企業は情報セキュリティ対策を強化する傾向にある。今後、企業の社会的責任はさらに重視されると考えられることから、国内セキュリティ市場は2006年以降も引き続き高い成長率を維持するものと予測している。

2005年の国内セキュリティソフトウェア市場は、前年比21.9%増で1,324億円の規模だった。セキュリティソフトウェアは、複雑化する情報セキュリティ脅威への対策に加え、情報保護、管理に関わる法規制の強化という2つの大きな要因に支えられ、今後も伸びが期待されている。しかし、長期的にはハードウェアプラットフォームの価格低下に伴うパッケージソフトウェアの価格低下の影響、中小企業向けの低価格製品の市場拡大、セキュリティ対策導入手段のソフトウェアからアプライアンスやセキュリティサービスへの移行等により、伸びは緩やかになり、2005年~2010年のCAGRは11.2%とIDCでは予測している。
2005年のセキュリティアプライアンス市場は、前年比28.0%増の260億円となり、2005年~2010年のCAGRは15.2xx%と予測している。2004年からファイアウォール、侵入検知やアンチウィルス機能をまとめて搭載した統合型アプライアンスの市場が拡大して、2005年も2004年の2.5倍以上の出荷台数を記録した。
統合型アプライアンスの主要製品は低価格帯に集中しており、今後も中小企業向けのセキュリティソリューションとして急速に普及する可能性が高いと考えられる。最近ではセキュリティアプライアンス製品の導入設置、運用管理の簡便性に対するユーザーの認知度も高まり、製品の販売チャネルも急増しているため、今後も高い成長率で市場を拡大すると予測している。
2005年のセキュリティサービス市場は、前年比15.2%増の4,172億円となった。大企業はセキュリティ対策強化のため、新規セキュリティシステムの導入および既存セキュリティシステムの統合に着手し、2004年と2005年にセキュアシステム構築に大規模な投資を行った。大企業のセキュアシステム構築需要は、2006年以降も継続するが、投資規模は徐々に縮小し、代わって中堅、中小企業の投資が増加すると予測している。またセキュリティシステムの運用管理には専門技術者と運用担当者の確保が必要なため、企業にとっては負担が大きく、企業規模に関わりなくアウトソーシングを利用する傾向も強くなっている。このような状況から、セキュリティサービス市場は2006年以降も堅調な伸びを見せ、2005年~2010年のCAGRは、16.6%と予測している。
IDC Japanセキュリティリサーチマネージャー 塚本卓郎氏は次のように述べいている。
「企業の情報セキュリティ対策の導入は、情報セキュリティ被害の拡大防止、情報漏洩対策、コンプライアンス強化政策として、2004年から急速に進んでいる。2006年以降も情報セキュリティ対策の強化は継続するが、大企業の情報セキュリティ投資は減少傾向であるため、若干市場の成長率は低下する。その代わりに期待されるのが、立ち遅れている中小企業のセキュリティ対策需要である」
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