- 2006/05/25 掲載
【サーバレポート】IDC中村氏「今期は、IA64サーバで大型案件があった」
<サマリー>
・市場規模は前年同期比3.9%減の1,980億600万円
・出荷台数は12四半期連続の2桁成長
・x86サーバが好調を維持、出荷台数は初の15万台に
IDC Japanは、2006年第1四半期(1-3月)の国内サーバ市場動向を発表した。これによると、2006年第1四半期のサーバー市場規模は1,980億600万円となり、前年同期と比較して3.9%縮小したという。2四半期続けてのマイナス成長となった。また、2006年第1四半期の出荷台数は17万1,000台。出荷台数の前年同期比成長率は10.8%で、12四半期連続の2桁成長を達成した。
国内サーバー市場は、2005年第3四半期にプラス成長を記録した後、5%未満のマイナス成長が続いている。IDC Japanサーバ グループマネージャー 中村正弘氏は、「x86サーバの需要は依然として強く、これが出荷金額の面でも貢献している。また今期は、IA64サーバで大型案件があった。こうした要因により、マイナスが小幅で収まった」と述べている。
業種別では、金融業界はサーバ投資が上向いてきたことが特筆すべきトレンドと言える。通信業は、サーバ投資も引き続き旺盛だった。ただ、昨年(2005年第1四半期)に比べると、会計年度末の駆け込み需要は多くなかったようである。製造業は、設備投資が一服した傾向が見受けられる。
2006年第1四半期の市場動向を製品カテゴリ別に見ると、x86サーバが前年同期比5.8%増と出荷金額を増やした。また、出荷台数は同12.4%増となり、四半期では初めて15万台を突破した。出荷金額のプラス成長と出荷台数の2桁成長は、ともに12四半期連続である。x86サーバは丸3年間、好調を維持していることになるという。
また、今期のRISCサーバとIA64サーバの合計出荷金額は、前年同期より13.8%減少した。前年同期に科学技術計算用途の大型案件が多数あったことの反動が現れたという。これらの案件を除外すると、RISC & IA64サーバ市場はプラス成長だった。通信業向けのIA64サーバの大型案件が貢献した。
ベンダー別では、富士通が2期ぶりにトップに復帰した。前期1位だった日本IBMは3位に後退。2位は、5期連続で日本HPが確保した。上位3社では、日本HPだけが前年同期より出荷金額を増やした。前述のIA64サーバの大型案件が寄与している。4位のNECもプラス成長だった。x86サーバ、IA64サーバ、スーパーコンピューターで、出荷金額が増加した。

注:上記「x86サーバー」は、現在一般に「IAサーバ」と呼ばれている、x86アーキテクチャのプロセッサーを採用しWindows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバであり、Itaniumプロセッサーを搭載した「IA64サーバ」やベンダー独自OSを搭載したサーバーなどは含みません。「RISCサーバー」は、IDC Japanが従来「UNIXサーバ」と定義していた製品分野であり、RISCプロセッサーを採用し主にUNIXを搭載したサーバです。「ビジネスサーバ」は、オフコンなど、メインフレーム以外のプロプライエタリ系サーバです。
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